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- ID:
- 36604
- 年:
- 2016
- 月日:
- 1016
- 見出し:
- 池に浮かぶ円錐の巨木 福岡県篠栗町の「ラクウショウ」
- 新聞名:
- 産経ニュース
- 元URL:
- http://www.sankei.com/photo/story/news/161016/sty1610160003-n1.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 風のない晴れた日、ラクウショウの姿が水面に映り込み、幻想的な景観が広がった =福岡県篠栗町(三尾郁恵撮影)風のない晴れた日、ラクウショウの姿が水面に映り込み、幻想的な景観が広がった =福岡県篠栗町(三尾郁恵撮影) 緑豊かな森の遊歩道を歩いていると、池の周辺で不思議な景観に出合った。水面上に円錐(えんすい)形の幹が並ぶ。周辺には気根と呼ばれる地上に出た根がタケノコのように、にょきにょきと突き出ている。「ラクウショウ」と呼ばれる落葉針葉樹だ
九州大学福岡演習林(福岡県篠栗(ささぐり)町)の西端にある「篠栗九大の森」。広さ約17ヘクタールで、約50種の常緑広葉樹と約40種の落葉広葉樹が生育している。この中でも「ラクウショウ」の木が十数本立ち並ぶ蒲田池の一角はひときわ目を引く
周辺にタケノコのように伸びる気根は、水没した根元に酸素を供給する役割を担う =福岡県篠栗町(三尾郁恵撮影) この木は北アメリカ原産の木で別名・ヌマスギ。過湿地に強く、池のほとりなど根元が冠水するような場所でも生長する。気根は、水没した根元に酸素を供給する役割を担うという
九州大が生態を研究するため昭和52(1977)年に苗から植えた。現在、樹高は20メートルほどだが、原産地では40メートルになることもあるという。季節の移ろいとともに芽吹き、深緑、紅葉、落葉と姿をかえる
篠森九大の森は、遊歩道を整備し、6年前から市民に開放されている。この木が水面に浮かぶ光景は、インターネットで話題となり、訪れる人の姿が絶えない。池の水は農業用水に使われているため、田んぼに水を引く時期などは根元が冠水していない場合もある
福岡市内から子供と散策に訪れた30代の主婦の斎藤めぐみさんは「見に来たのは3回目だが、やっと水につかっている姿を見ることができた。日本の景色じゃないみたいでともて感動した」としきりにシャッターを切っていた
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