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- ID:
- 36341
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0911
- 見出し:
- 桜の木が危ない! 成木枯死 外来種クビアカツヤカミキリが不気味に住み家を広げている
- 新聞名:
- BIGLOBEニュース
- 元URL:
- http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0911/san_160911_6518804889.html
- 写真:
- なし
- 記事
- 全国の桜の名所に深刻な被害を与えている外来昆虫、クビアカツヤカミキリが不気味な広がりを見せている。4年前、愛知で確認以来、1都1府3県(東京、大阪、埼玉、群馬、徳島)で猛威を振るい、桃や梅などの果樹も食い荒らしているが、今年7月末、栃木県内でも初めて確認された。抜本的な駆逐が難しい中、昆虫マニアによる拡散も懸念されている。(宇都宮支局 川岸等) 7月28日午後、栃木県足利市鵤木町(いかるぎちょう)の林で、昆虫愛好者の増田勝弘さん(76)はクヌギの幹に見慣れないカミキリムシを発見、写真に収めた。愛好者仲間に写真を送り、自らも調べたところ、クビアカツヤカミキリと判明し、同市環境政策課に連絡した
隣接する群馬県では既に茂林寺公園(館林市)や赤城南面千本桜(前橋市)などの桜が被害に遭っており、増田さんは「ついに栃木県にも侵入したか。影響が心配だ」と話す。栃木県立博物館の栗原隆学芸員(39)は「繁殖の有無は不明だが、個体が県内で確認されたのは初めて。他地域への拡散が懸念される」と指摘する
埼玉県草加市では3年前の夏、小学生が偶然、桜並木でこのカミキリを発見。埼玉県生態系保護協会が主体となり、市などと連携し調査、対策に力を入れる。食害で枯死した数十本の桜を伐採し、成虫の飛散と産卵防止のため、幹にネットをかぶせ、発見次第、捕殺している。今年に入り、国は薬剤注入をテストした
同協会草加八潮支部長の加納正行さん(81)は「花見に象徴されるように桜は日本人にとって特別な樹木で、今後、観光面への影響も出てくるのでは」と懸念する。徳島県では昨年夏、鳴門市と板野町で、桜のほか桃の食害が見つかった。県はチラシを作製し、農業従者者だけでなく一般からの情報提供を求めている
クビアカツヤカミキリは国の「生態系被害防止外来種リスト」に掲載されているが、外来生物法の特定外来生物には指定されていない。このため飼育、運搬などの法的規制はなく、草加市などでは昆虫マニアが全国から訪れ、一部マニアの間で高価で取引されるケースもあるという。一部自治体ではマニアによる採取、拡散を恐れ、被害木の情報を開示していない
環境省は今年2月、各都道府県を通じ、全国の自治体に、注意喚起と被害状況の報告、防除対策の整備などを通知している
日大森林動物学研究室研究生の桐山哲(さとし)さん(30)は「クビアカツヤカミキリは生木を食害し、繁殖力も強く、桜や果樹へのダメージは脅威だ。早期発見、早期対策が重要で、まず行政が窓口となり広く情報収集することが急務ではないか」と指摘する
■クビアカツヤカミキリ カミキリムシの仲間で、クロジャコウカミキリとも呼ぶ。中国や朝鮮半島など原産。体長3センチ前後で、黒色で胸部が赤いのが特徴。幼虫は樹木内を食い荒らし、その跡として、幹の回りに木屑が散乱する。6〜8月ごろ成虫として飛び立ち、産卵する。輸入材などに紛れ、国内に侵
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