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- ID:
- 36256
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0830
- 見出し:
- 利用価値高いツバキ 沖縄の植物漫歩
- 新聞名:
- 琉球新報
- 元URL:
- https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-341637.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- ツバキ科のツバキ属の原種は、世界で約270種もあるといわれています。日本に自生しているツバキ属はヤブツバキ、ユキツバキ、サザンカ、ヒメサザンカの4原種です。このうち、県内にはユキツバキ以外の3原種が自生しています
ヒメサザンカの仲間は琉球列島の固有種であるヒメサザンカと中国、台湾、ビルマ、ベトナムを含めて31の原種があるといいます。黄色のツバキは中国とベトナムの両国を合わせて約60の原種が自生しているという報告があります
県内には他府県産地や外国産の原種や園芸品種が多く入っています。沖縄から産出される主な園芸品種は久米島紅、琉球白妙(しろたえ)、首里乙女、久米白波、うみないび、越来白球、羽地白鷺(しらさぎ)、我部祖河、久米中輪、久米紫、蝦夷乙女、天妃の華、伊平屋54などです
ツバキは種から育てる繁殖や挿し木や取り木、接ぎ木などの栄養繁殖で増やせます。ツバキは花を観賞するだけではなく、乾燥によって裂け散らばった種子などはブローチに、幹や枝は木炭のほか木灰にして染色に、彫刻にしてさまざまな製品に利用されています。葉はお茶に利用されます
種子から搾られるツバキ油は食用、医薬品用、化粧品用、精密機械の潤滑油用、灯油用、またつばき油を絞った後の油かすはミミズの駆除や除草など多岐にわたって利用されています。ツバキはまさに利用価値の高い有用植物です
島・地域でその環境に応じて進化してきたかけがえのないツバキは自然遺産、遺伝子遺産であり保護・保全、育成していくことが大切です
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