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- ID:
- 36090
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0809
- 見出し:
- 被爆クスノキ大樹見納め 長崎市の山王神社 枝3割切り、治療へ [長崎県]
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元URL:
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/264832
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 長崎原爆の爆心地から800メートルの山王神社(長崎市坂本2丁目)にある被爆クスノキの青々と茂った姿が今夏で見納めになる。弱ってきた幹への負担軽減と安全確保のため、長崎原爆の日の後、枝の約3割を間引く。今後は毎年、刈り込みと治療を行う予定で、船本勝之助宮司(74)は大木を見上げ「今のような姿はこの夏が最後」と語る
クスノキは高さ21メートルと17メートルの2本あり、樹齢500年以上と推定される。被爆直後は枝葉が吹き飛ばされ、幹は黒焦げになって大きく裂けた。それでも2カ月後に新芽を出し、被爆した長崎の街に希望と勇気を与えた
2006年には台風13号の強風で枝が落下し、境内にある地元の原爆慰霊碑が倒れた。この時の治療で、約半分が空洞化していた幹の中から、原爆の爆風で飛ばされたとみられる石や瓦の破片が見つかった。その後、樹勢を取り戻したものの重量が増え過ぎ、幹への負担が増大。台風シーズンを前に11年以来の刈り込みに踏み切ることにした
費用は約1千万円で4分の3を市が補助。市出身の俳優で歌手の福山雅治さん(47)がクスノキを題材に楽曲を作ったのを機に所属事務所が開設した「クスノキ募金」からも初めて支援を受ける見込み。山王神社では原爆で1本柱になった二の鳥居が今秋、国史跡に指定される予定で、二つの原爆遺構の保存に向けて募金箱を設置し、協力を呼び掛ける。船本宮司は「責任を持って守っていきたい」と話す
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