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- ID:
- 著者は、これらの木々を「緑の記念碑」と呼ぶ。パワースポットとして人々を魅了する、これらの木々たちの人知を超えた生命力に呼応し、眺めていると不思議な感銘が湧き上がってくる得難い読書体験となるに違いない
35666
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0617
- 見出し:
- 「樹をめぐる物語」展 自然と向き合う仏風景画
- 新聞名:
- 産経ニュース
- 元URL:
- http://www.sankei.com/life/news/160616/lif1606160018-n2.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 印象派とその前後の時代の「樹」をモチーフにしたフランス風景画の変遷を探る展覧会が、東京・新宿の損保ジャパン日本興亜美術館で開かれている
自然風景にとって重要な存在の樹。フランス絵画で自然が注目され、絵の主題となったのは19世紀になってから。近代化によって失われつつあった自然や田園生活への憧れなどを背景に、従来は歴史画などの一部として描かれてきた風景に目が向けられた
最初に自然と向き合ったのがバルビゾン派だった。パリ近郊のフォンテーヌブローの森のはずれのバルビゾン村に集い、好んで自然を描いた画家グループだ。その先駆者となったカミーユ・コローは、田園風景を詩情豊かにしっとりと描写した。「エトルタ近くの風景」は、写実的に描かれた巨木が印象的。樹の下には小さな民家があり、その周囲には農作業をしているのか、人物の姿もある。樹の息吹とともに、のどかな自然の中で暮らす人たちの安らぎが伝わってくる
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