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- ID:
- 43462
- 年:
- 2018
- 月日:
- 1214
- 見出し:
- 能登薫る「加賀ゆびぬき」 七尾の女性2人が作品展
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2018121402100011.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 「でか山」題材 ウルシ染め糸 金沢の伝統工芸「加賀ゆびぬき」に、能登の素材や文化を取り入れた珍しい作品展が、石川県七尾市一本杉町の海産物店「しら井七尾店」内のギャラリーで開かれている。七尾市の女性二人が手掛けた、鮮やかでかわいらしい作品が並ぶ。「加賀の工芸に能登らしさを出そうと工夫した」。小さな作品に能登の魅力がつまっている。(松村真一郎) 作品展は、岩崎京子さん(53)=同市松百町=と狩山玲子さん(64)=同=が開く初の二人展「絹糸が奏でる加賀ゆびぬき」。能登のウルシの木材チップ、クルミの皮、アテの葉などで染めた絹糸を使ったほか、七尾市を代表する青柏祭の山車「でか山」を題材にした作品もある
能登の自然や文化を取り入れたゆびぬきの作品展を開いている岩崎京子さん(右)と狩山玲子さん=石川県七尾市一本杉町で写真 加賀ゆびぬきは、古くから金沢に伝わる裁縫道具。かつては加賀友禅を作る過程で余った絹糸で、仕立て人が自分たちの指にはめる道具を作っていたとされる
二人は元同僚。偶然、同じ頃に加賀ゆびぬきに興味を持ち、金沢市の加賀ゆびぬき専門店「加賀てまり 毬屋(まりや)」の教室に五、六年前から通っている
岩崎さんは、今年四月から金沢大の能登里山里海マイスターを受講。能登の自然の豊かさを作品を通して伝えたいと思い、能登の植物を生かした創作に取り組み始めた。ウルシの作品は、黒色や黄金色で高級感が漂う。講座で知ったというクスノキ科のオオバクロモジを活用した作品は、かんきつ系の香りがし、素材の特徴が楽しめる
狩山さんは、でか山を引く三町それぞれの町紋を作品に取り入れた。木材を切って小型の山車も作製し、作業が進むにつれて祭りらしさが出てくるのに楽しさを感じたという
ゆびぬきの模様は二、三百種類もあるという。狩山さんは「どの糸をどこにいれるかで、思いもしなかった素晴らしい作品に仕上がることもあって面白い」、岩崎さんは「能登の自然や文化を、作品から感じてもらえれば」と話す
作品展では、二十四節気から連想した作品もあり計千百個を展示。一部は販売している。会期は十二月末まで。午前九時~午後六時半。二十五日は休み。問い合わせは、岩崎さん=電090(8094)7454=へ
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