v10.0
- ID:
- 43182
- 年:
- 2018
- 月日:
- 1115
- 見出し:
- はしご状の架構が消防車を覆う現代版貫構造
- 新聞名:
- 日経xTECH
- 元URL:
- https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00507/110900001/
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岩手県住田町は「森林・林業日本一のまちづくり」計画を掲げ、役場庁舎の周辺に「木質の中心市街地」の形成を予定している。以前は町外れにあった「大船渡消防署住田分署」も、老朽化による更新時期を迎え、町は役場庁舎の隣接地を取得。公募型プロポーザルで設計者にSALHAUS(サルハウス、東京都千代田区)を選んだ
延べ面積は約800m2、構造は木造を主体とすることが条件だった。住田町は江戸時代に街道沿いの宿場町として栄えた歴史があり、敷地の近くに残る歴史的な町並みとの関係を視野に入れることも求めた
断面図[画像のクリックで拡大表示] 敷地は広く、平屋でも計画できたが、SALHAUSは訓練広場を大きく取るために、地上2階建てで平面をコンパクトにまとめ、柱に梁を貫通させる貫式木造ラーメン構造を採用。東側の大半を占める車庫は、同じく貫式のフィーレンディール(はしご状)トラスによって、ほかと共通の部材で大空間を実現した〔写真1、2〕。1階は車庫の奥に仮眠室と水まわり、2階には常時使う事務室を配置した〔写真3〕。ガラス張りのエントランスホールは展示空間にもなる〔写真4〕
〔写真1〕貫式フィーレンディールトラスで車庫空間貫(ぬき)を垂直方向に重ねた量感あふれる木造架構だ。SALHAUSの安原幹共同主宰は「大空間になる車庫の上部に、雲のようにもくもくした架構があるイメージは初めからあった」と話す(写真:吉田 誠)[画像のクリックで拡大表示]〔写真2〕車庫はスプリンクラーで内装制限を緩和北東から見た全景。車庫は床面積が50m2を超えるので、奥側に配置した諸室とは異種用途区画を設けたうえで、スプリンクラーと排煙窓を設置して内装制限を緩和している(写真:吉田 誠)[画像のクリックで拡大表示]〔写真3〕2階の見通しのいい場所に事務室事務室は1階エントランスホールの階段を上がってすぐの場所にある。右手は車庫の吹き抜けに面し、左手からは訓練広場を見渡せる(写真:吉田 誠)[画像のクリックで拡大表示]〔写真4〕ギャラリーを兼ねるエントランスホール署員以外も利用するエントランスホールは、入りやすい雰囲気に。奥の階段を上がると、町を一望できるルーフテラスに出られる。屋根と2階床、階段の踏み板にはCLTを使用(写真:吉田 誠)[画像のクリックで拡大表示]
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