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- ID:
- 42917
- 年:
- 2018
- 月日:
- 1016
- 見出し:
- 老朽化進む京都・三条大橋 ふるさと納税で修復費用募るも目標額のわずか2%
- 新聞名:
- 毎日放送
- 元URL:
- https://www.mbs.jp/news/kansainews/20181016/GE000000000000024865.shtml
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- 記事
- 京都の三条大橋は交通の要衝として歴史的な価値も高い場所ですが、老朽化が進んでいます。京都市は修復費用の一部を「ふるさと納税」制度を使って集めようとしているのですが、寄付金は目標額のわずか2%。どうも、うまくいっていません
東海道五十三次の終点として知られる京都の三条大橋。歴史の痕跡が残るのは、擬宝珠(ぎぼし)と呼ばれる装飾です
「池田屋事件の刀傷ではないかと言われているんです。皆さん手で触れられるので銅色になっているんちゃいますかね」(京都市・橋りょう健全推進課 藤井豊課長) 擬宝珠は豊臣秀吉が大改修を命じた際に取り付けられたと言われ、洪水で流出するなどして1950年に今の橋が新調されましたが、擬宝珠は当時のものが使われ、鴨川にかかる42本の橋では唯一、木製の欄干が残っています。しかし… 「木製の欄干ですが、ところどころ割れていて、かなり古くなっているのがわかります」(稲付晴日記者リポート) 約70年間大規模な修復はされておらず、京都市は欄干と歩道の改修工事をする予定です。かかる費用は約4億円。そこで目を付けたのが、ふるさと納税制度でした。返礼品合戦が過剰と問題視されるふるさと納税制度。京都市は、4月から1億円を目標に寄付の募集を始め、返礼品も用意しました
「せっかく三条大橋の補修修繕という思いでご寄付いただいた方にお返しするものですから、三条大橋特有の独自なものでお返ししたい」(藤井豊課長) それは何かというと…三条大橋オリジナルグッズ、改築の進捗状況を知らせるニュースレターの送付、改修時の工事現場の見学とされています。ちなみにオリジナルグッズの内容はまだ作成中で非公開だそうです。街の人の反応は… 「あんまり欲しくない」(女性) Q.工事現場に優先招待 「くだらない。くだらない。全くナンセンスだ」(男性) Q.工事進捗のニュースレターも 「いらないよね。必要ないよね」 「工事現場はいらないけど…寄付は考えてもいい」(女性) 目標1億円に対して、集まったのは4月から10月15日までで207万円です。それでも… Q.今のところ豪華な返礼品は? 「考えておりません」(藤井豊課長) 豪華な返礼品は用意しない方針の京都市は、去年ふるさと納税で受け入れた寄付の額が1億3000万円、対して市民が他の自治体に寄付した流出額は16億5000万円で約15億円の赤字となっています
一方、そんな京都市でもふるさと納税を集めることに成功している例もあります。二条城は8年で5億6000万円の寄付が集まりました。その返礼品は高価な物ではなく、二条城の価値を最大限に生かした特別な体験です
「寄付された方から年2回、抽選で城主の方を決めて、二の丸御殿の大広間の中の将軍が着座しておる場所に実際にお座りいただいて記念撮影などができる」(二条城事務所 鳥居将志課長) 修理費用への寄付をきっかけに二条城の400年の歴史に参加してもらい、よりその価値に共感してもらうというものです。豊臣秀吉の頃からの擬宝珠や、新撰組が関わる池田屋事件の刀傷。この価値をどう発信すれば人々に届くのでしょうか
「返礼品だけではなく広報の仕方によってですね、全額、皆様の温かいお気持ちをいただけるものというふうに考えております」
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