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- ID:
-
42353
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0820
- 見出し:
- 紀伊半島の植生を考察 熊楠研究会がシンポジウム
- 新聞名:
- 紀伊民報
- 元URL:
- http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=356572
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 南方熊楠研究会のシンポジウムが11日、和歌山県田辺市東陽の市文化交流センター「たなべる」であった。世界的な博物学者、南方熊楠による神社合祀(ごうし)反対運動の対象となった紀伊半島の植生について、4人の研究者がそれぞれの専門分野から持論を展開した
哺乳類の生態を専門にしている揚妻直樹さん(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター准教授)は、野生動物の分布について説明。近年は「昔と比べて野生動物が増え過ぎて獣害がひどくなった」という主張がよく聞かれるが、熊楠が生きていた70年以上前までさかのぼると、野生動物がたくさんいたと解説。林業の指南書「吉野林業全書」(1898年)に「獣害も何れの地も之なきはなし」との文言が登場するなど、当時も獣害が多く発生していたことが分かるという
このほか、和歌山城整備企画課学芸員の武内善信さんが「『鎮守の森』と森神について」、上越教育大学准教授の畔上直樹さんが「近代日本の神社林」、京都大学霊長類研究所所長の湯本貴和さんが「世界からみた日本の照葉樹林」と題して発表。龍谷大学国際学部教授の松居竜五さんが進行役を務め、会場からは熱心な質問が相次いだ
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