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- ID:
- 41723
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0605
- 見出し:
- 名古屋城本丸御殿 木曽ヒノキ使い復元
- 新聞名:
- 信濃毎日新聞
- 元URL:
- http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180605/KT180604FTI090006000.php
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 名古屋市が木曽ヒノキを使って2009年から復元工事を進めてきた名古屋城の本丸御殿が完成し4日、報道陣に公開された。内装の黒漆塗りは塩尻市の木曽漆器職人らが担当。信州の伝統と技術が生かされている。8日から一般公開する
江戸時代初期の1615年に建てられた本丸御殿は、書院造りの木造平屋で13棟あり、約3100平方メートル。「近世城郭御殿の最高傑作」と称されたが、1945(昭和20)年に空襲で焼失した
復元工事では、戦災を免れた文献や戦前の写真などを基に、旧来の材料や工法で建物を忠実に再現。この日は本丸御殿のうち、将軍徳川家光が京都に向かう際の宿泊所「上洛(じょうらく)殿」や、将軍の浴室「湯殿書院」などが公開された。上洛殿には絵師狩野探幽(かのうたんゆう)の代表作「雪中梅竹鳥図」のふすま絵などを模写して再現した
使われた木曽ヒノキは1680立方メートルで、建物のほとんどがひのき造りだ。格天井や欄間などに黒漆を施す作業は、塩尻市の塩尻・木曽地域地場産業振興センターが受注。同市木曽平沢の木曽漆器職人15人ほどが約6年掛かりで仕上げた。職長として職人を率いた宮原健一さん(66)は「この仕事を通じ、若い職人が大きく成長した」と話した
木曽郡上松町の小川入国有林では2006年8月、復元に使う木曽ヒノキの「おの入れ式」が行われた。地元の林業関係者らでつくる三ツ紐伐(みつひもぎ)り保存会がヒノキの伐採を披露。一員だった林業、吉川正樹さん(51)は「この地域は名古屋との結び付きが強く、木曽のヒノキが使われていることはうれしい」と話した
復元の総事業費は約150億円。名古屋市は、名古屋城天守閣も木造復元する計画で、22年末の完成を目指している
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