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- ID:
- 41443
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0508
- 見出し:
- 兵庫産スギ材、利用拡大狙い加工方法など研究へ
- 新聞名:
- 神戸新聞
- 元URL:
- https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201805/0011235067.shtml
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 兵庫県は本年度、県産スギ材の利用拡大に向け、県森林林業技術センター(宍粟市山崎町)の木材利用実験棟の設備を強化する。近年、県内の山林ではスギが大きく育ち、主な用途の柱だけでなく太さが必要な梁や桁への活用も期待できるようになってきた。ただ強度にむらがあることが課題で、県は安全性を高める加工方法などの開発を目指す。(山路 進) 県内の原木(丸太)生産量は安い外国産材に押され、需要が低迷してきた。このため、スギが最も多くを占める県内の人工林(約22万1千ヘクタール)は、利用に適した樹齢46年以上の森林面積が過去10年で急増。2008年3月末の約9万3千ヘクタールから、昨年3月末には約15万7千ヘクタールにまで広がっている=グラフ
加えて、間伐などの管理が進み、直径40センチを超えるスギが生産できるようになった。これまでは木材の細さから柱などでの利用にとどまっていたが、梁や桁など水平に使う「横架材」として出荷できる可能性も生まれている。横架材は住宅1戸当たりの使用量が柱の1・4倍に上り、供給量の拡大も見込める
しかし、スギはヒノキや外国産材に比べ、水分が多く、強度にむらがある。水平に使うには、垂直に使う柱とは異なる乾燥法の確立やたわみにくさの実証などが不可欠という
木材利用実験棟は、1995年に開設。これまで柱などへの加工や用途開発を進めてきたが、設備は古く、大きな横架材の研究には対応していない。このため、従来より2メートル大きい長さ6メートル級の木材を扱える加工設備や強度測定試験機などを導入する。木材乾燥用の設備2棟などの新築も計画している
県は事業費として約3億円を計上。今年夏ごろに着工し、来年3月末の完成を目指す。県林務課は「県産材の安全性を示し、住宅建材として安定的な供給を進めて山林の有効活用につなげたい」としている
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