v10.0
- ID:
-
40898
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0329
- 見出し:
- 奇跡のくすのき 土壌替え
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20180302-OYTNT50161.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 戦火をくぐり抜け、平和と復興の象徴として親しまれている静岡市の「奇跡のくすのき」の土壌入れ替え工事が始まった。関係者は「元気な姿で後世に残したい」としている
クスノキは、同市葵区追手町の静岡赤十字病院前にある。1945年の静岡空襲で焼けながら、3年後、焦げた幹から新しい芽が出て復活し、15メートルまで成長した
ただ、2015年9月に行われた調査で、光がよく当たる上部の葉が下部の葉よりも小さく、栄養が行き渡っていないことが分かった。近年は根が歩道のブロックを押し上げ、歩きにくくなっていることも問題になっていた
このため、クスノキについてまとめた冊子を県内の子どもたちに配っている「新老人の会」富士山支部が、田辺信宏市長に土壌入れ替えを要請した
工事は28日から始まり、樹木医の石下義三さん(45)が確認したところ、根のまわりが固い土で覆われ、根の成長が妨げられていたほか、雨水が十分に届かない状態になっていた
入れ替える土壌には、肥料と軽石を混ぜた土を使う。軽石はやわらかく、根の成長を邪魔しない。また、根の表面積が増え、水や酸素を取り込みやすくなるほか、根が地中に向かって伸びるようになるという。作業は6日までの予定
同支部の遠山和成会長(77)は「戦争を生き抜いたクスノキが残っているのは貴重なこと。今後も語り継いでいきたい」と話している
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