v10.0
- ID:
- 31255
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0905
- 見出し:
- 香嵐渓のクリ拾い、今秋限り 44年の歴史に幕
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20140905/CK2014090502000055.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 豊田市井ノ口町の「香嵐渓グリーンファーム三ツ足(みたち)栗園」が、7日から始まる今秋の営業を最後に閉園する。クリ拾いが楽しめる県内唯一の観光農園。東京ドーム約13個分、60ヘクタールの敷地に9000本のクリの木があり、毎秋、多くの家族連れらが訪れていたが、クリの木の老朽化と、後継者
不足のため44年の歴史に幕を下ろす。
開園は一九七〇年。林業や農業を手掛けていた地元の有志が、地域活性化にと始めた。五年ほどかけてスギやヒノキが茂る山を開墾し、クリの苗木一万本を植えた。
開園当初から携わる組合長の深見紀之さん(82)によると、木の成長とともに大きな実を付けるようになると、来場者が増加。開園から十年ほどたったころには、年二万人もの人が訪れ、足助地区の観光名所になった。
しかし、敷地内に自生するクリの木の多くは開園時に植えた樹齢五十年近い老木ばかり。近年は、虫害に加えて、木の先端から葉が落ちて枯れてしまう症状が一部に表れ、収穫が減りつつある。カモシカやイノシシによる獣害も悩みの種だ。
後継者不足も深刻。現在は深見さんら十三人で管理するが、いずれも高齢。開園前の一カ月は敷地全域の草刈りが欠かせなく、かつては自分たちでできたが、現在は人を雇わなければできない状態だ。
来場者も減り、一万人を切るようになったことから、今春、組合員にアンケートをし、閉園を決めた。
まだ元気に緑色の実をつけるクリの木々を眺めながら、深見さんは「園を続ける方法はあるかもしれないが、私たちだけでは難しい。今年が最後となるが、四十年以上お世話になった感謝の気持ちを込めて営業したい」と話した。
今秋の営業は七日から十月十三日まで(午前九時~午後五時)。入場券は前売りが大人二千百円(当日は二百円増)、子ども千六百円(同百円増)。大人は一キロ、子どもは五百グラムまでクリを持ち帰れるほか、山菜栗弁当が付く。(問)同園=電0565(62)1192
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