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- ID:
- 29730
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0223
- 見出し:
- 梅の季節
- 新聞名:
- 四国新聞
- 元URL:
- http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/20140223000108
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 清少納言は「枕草子(まくらのそうし)」の中で「木の花は、濃きも淡きも紅梅」と書いている。濃淡はあっても、紅梅の方が結構であると推す。清少納言の異国趣味は紅梅に表れているそうだ。
高松市の栗林公園でも、白梅、紅梅、取り混ぜて見ごろを迎えている。同公園の北庭に、高松藩の儒者を務めた青葉士弘(あおばしこう)(1703~1772年)の「栗林園二十詠詩碑」がある。園内の名所を詠み込んだ漢詩。
梅林については「数歩、梅 行を為(な)す/万朶(ばんだ)の花、雪の如(ごと)し…」と表現。数歩ごとに、梅が列をなしている。すべての枝の花々は雪のようだ、という。特に、寒さに負けず咲く白梅には、漢詩が似合うかもしれない。
栗林公園の梅の実は6月ごろ、収穫されて梅酒となる。だが、梅といえば梅干し。かつて「尋常小学読本」に「七月、八月あついころ/三日三ばんの土用ぼし」との記述があるように、手間のかかる作業を経て梅干しに。
「日の丸弁当」は白米のご飯に、梅干しを入れただけの弁当。白米は胃の中で、梅干しにより、すぐエネルギーに変わるとか。その点、梅干しを国民食と呼ぶ人がいるのも、うなずけなくもない。
「日の丸弁当」は、おじいさん世代に限られても、おむすびの梅干しは若い世代にも支持者を持つ。天満宮に梅の木は付きものだから、受験生も梅干しを口に、最後の頑張りといくかどうか。
「受験期の梅がよそよそしく匂ふ」(瀧春一)。梅見で、よだれを垂らすのはみっともない
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