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- ID:
- 26651
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0129
- 見出し:
- 伊勢神宮:被災地の神社再建を支援 ヒノキの間伐材提供
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- http://mainichi.jp/select/news/20130128k0000e040144000c.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 東日本大震災で被災した神社を再建するため、三重県伊勢市の伊勢神宮が、式年遷宮用に植林したヒノキの間伐材を無償提供している。神社本庁(東京都)が行う支援事業の一環で、被災者たちは「心のよりどころができた」と喜んでいる。
神社本庁によると、震災で全半壊した社殿は約300棟。このうち岩手、宮城、福島3県では約100棟が全壊、流失した。自力再建の難しいところも多い。神社本庁は11年5月、支援のために3億円の基金を創設した。
伊勢神宮は遷宮で社殿の建て替えに使うヒノキを大正時代から育てている。外部に出すことはほとんどないが、今回は未曽有の災害からの復興のためとして、間伐材約1300立方メートルを無償提供することを決めた。
既に宮城県の吉窪神社(仙台市宮城野区)、五十鈴神社(女川町)など計9神社が再建された。1社の工費は約100万円で、神社本庁などが全額支援した。他にも1社を3月までに再建する。
第1号は、石巻市雄勝(おがつ)町の新山神社。昨年11月に完成した。自身も仮設住宅で暮らす小田道雄宮司(80)は「地区の復興は進んでおらず、自分の生活で手いっぱいで、神社を再建できる状態ではなかった。支援はありがたい」と感謝する。簡素な造りだが、ヒノキの香りが漂う社殿は「伊勢に参
ったような気持ちになる。離れて暮らしている人が参拝に戻ってくれれば」。神社本庁震災対策室の小澤淑寿室長は「神社は心のよりどころになる。再生を順次進めていく」と話した。
伊勢神宮は、04年の新潟県中越地震の際にも間伐材を提供、3社が再建された。また、遷宮で解体する社殿の木材は、各地の神社の鳥居や社殿の改修資材として再利用されている。前回遷宮の93年に起きた北海道南西沖地震で全壊した奥尻島の青苗神社や、95年の阪神大震災で被災した神戸
市の生田神社などの再建にも使われた。【木村文彦】
◇再建された宮城県の神社
新山神社 石巻市雄勝町
吉窪神社 仙台市宮城野区
神明社 同
五十鈴神社 女川町
神明社 岩沼市
青巣稲荷神社 山元町
神明社 亘理町
五十瀬神社 栗原市
一景島神社 気仙沼市
■再建予定の神社
玉造神社 東松島市
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