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- ID:
- 28726
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 1004
- 見出し:
- 生坂村が薪販売で地域活性化
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20131003-OYT8T01188.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 山に放置された間伐材などの木材を使って、地域経済の活性化につなげる取り組みが来年4月から、生坂村で始まる。薪(まき)に加工し、消費者に販売して収益を目指す。間伐材を山から運び出した山林所有者には対価として「地域通貨」を支払い、村内の店で使ってもらうという「一石三鳥」(村振興課)の
取り組みだ。
間伐材を薪に加工し、販売する「薪ステーション」を建設。地域が一丸となって進めようと、村内の商店主の潤いにつながるよう地域通貨を流通させる。ステーションは11月にも、村の中心部に建設される予定。
村の森林面積は、総面積の78%にあたる3074ヘクタールに及ぶ。木々が密集する状態は、森林全体の生育に悪影響があり、またシカやシノシシなどの有害鳥獣が多く潜む温床となり得る。
利用価値も乏しく、搬出コストもかかる間伐材をどのようにして麓に下ろすか――。村は昨年12月から、山林所有者の協力を得られる方策を探ってきた。
目をつけたのが、社会の「エコ」志向の高まりと、自然エネルギーの普及拡大を目的に、電力会社に固定価格での電力買い取りを義務付ける国の制度だった。
アウトドア趣味の拡大やエコ志向の高まり、電力不足などの理由で、薪を使う暖炉やストーブが近年、人気を呼んでいる。社団法人「日本暖炉ストーブ協会」(東京)によると、協会に加盟する国内メーカーの出荷台数は1996年に約4500台だったが、昨年は約1万台に増加。村の森林の7割以上はクヌ
ギやナラなどの広葉樹。油分が多いマツなどの針葉樹に比べ、燃焼時間が長く、需要が見込めると判断した。
村振興課の牛越宏通課長は「将来的にはガーデニングなどで使う木材チップなどの加工品も販売したい」と販路開拓をもくろむ。
また、バイオマス発電所の引き合いも期待する。未利用間伐材を使ったバイオマス発電は最も高い価格で電力会社に買ってもらえるため、牛越課長は「ここでも薪は大きな需要が見込める」と話している。
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