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- ID:
- 28359
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0819
- 見出し:
- 「香りで熊野発信」 新宮の小売業がスギ抽出アロマを開発
- 新聞名:
- 紀伊民報
- 元URL:
- http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=258065
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 和歌山県新宮市佐野の小売業「エムアファブリー」は、同市の熊野川町森林組合と協力して、地元産のスギの葉から抽出した精油の芳香液を開発し、販売を始めた。エムアファブリーは「香りは記憶に残る。香りを通じ、熊野を発信したい」と話している。
農林漁業者と中小企業者が連携した新商品開発を「わかやま産業振興財団」が支援する「わかやま農商工連携ファンド」の助成事業。2012年秋から研究していた。
精油の原料となるスギの葉は、間伐後に捨てていた。これを細かく切って袋詰めして、山林から運び、水蒸気で蒸留して抽出した。県企業振興課によると、国産の天然アロマ(芳香)は非常に珍しいという。
紀州スギの精油は材木と同様に粘りがあるのが特徴。香りはかんきつ類に近いが、試供品のモニター調査では「懐かしい香り」「森にいるみたいで落ち着く」などの声が寄せられたという。
11年の台風12号で新宮市は熊野川町を中心に大きな被害を受けた。森林組合も事務所や所有の車両を流失した。山林にはいまも爪痕が残る。
森林組合の田中多喜夫組合長(66)は「アロマは今までにない発想。未利用の資源が経済性を生めばありがたい。台風からの復興にもつながれば」と期待する。
エムアファブリーの竹原真奈美店長(34)は「家や車内、お店で利用してもらえれば。お土産にも最適。海外にも発信して、誘客につなげたい。さらに多様な熊野の香りを開発したい」と話している。
精油「熊野杉」は木箱入り5ミリリットルで2600円、精油生産の際に生じるアロマウォーターが50ミリリットルで1300円。問い合わせはエムアファブリー(0735・31・8905)へ。
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