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- ID:
- 28360
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0819
- 見出し:
- 樹皮で生薬 白峰の新産業に
- 新聞名:
- 北国新聞
- 元URL:
- http://www.hokkoku.co.jp/subpage/HT20130817401.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 石川産の薬用植物のブランド化に取り組むグループ「くさのね」(白山市)は、同市白 峰の林業者と協力して広葉樹「ホオノキ」の樹皮を使った生薬作りに乗り出した。ホオノ キの樹皮はほとんどが中国産で、より品質の高い国内産として市場に売り出す仕組みを構
築する。同会は「林業者の収入増につなげ、白峰の新しい産業の創出を図りたい」として いる。
ホオノキの樹皮は乾燥させることで消化促進や腹部膨張の緩和に効果がある生薬「厚( こう)朴(ぼく)」となり、他の生薬と混ぜることで漢方薬を作ることができる。白峰を はじめ県内全域に広く分布しているが、真っすぐに育ちにくいため木材としての利用は難 しく、これまで廃棄されることが多かった。
金大、県立大の教授や薬剤師らで構成する「くさのね」は、白峰で間伐されて処分され るホオノキに着目。薬木として有効活用することにし、昨年8月に薬効成分を調査した。
調査の結果、ホオノキは樹皮の質量に対してマグノロールが0・8%以上含まれていな いと生薬として利用することができないが、白峰の樹皮には4%以上含まれていることが 分かった。
今年は白峰の林業者らでつくる「白山しらみね薪(まき)の会」と協力して生薬作りに 着手。薪の会が樹皮の採取と乾燥を担当し、くさのねが品質管理法を研究したり、販売先 となる製薬会社を探す。8月中に約100キロを準備し、県内外の製薬会社に納品する計 画にしている。
くさのねではキハダやウドなども生薬として利用できないか研究する方針で、中出喜美 子代表は「生薬として注目が集まることで、石川の山林の価値を見直すきっかけになって ほしい」と話した。
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