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- ID:
- 27443
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0417
- 見出し:
- 桜の名所で鳥食害広がる 伊那谷 悩む関係者
- 新聞名:
- 信濃毎日新聞
- 元URL:
- http://www.shinmai.co.jp/news/20130417/KT130416SJI090002000.php
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 県内各地で桜が見頃を迎えているが、伊那谷では桜の花芽を鳥に食べられる被害が広がり、観光関係者を悩ませている。ソメイヨシノなどが満開となった下伊那郡大鹿村の大西公園では、枝先の花がまばらな木もある。野鳥の専門家は、今冬の厳しい寒さで標高の高い場所にすむウソなどが、餌を求めて
里に下りてきたのではないかとみている。
ソメイヨシノなど桜約3千本が植わる大鹿村大西公園は16日がちょうど満開。ただ、公園の周辺部には、枝先に花が少ない木が何本もある。公園の桜を管理している「信州大鹿歌舞伎の里さくらの会」によると、以前からウソなどの鳥に花芽を食べられる被害を受けてきた。
ウソはスズメの仲間で、通常は冬でも比較的高地にすむ。標高約700メートルの大鹿村大西公園周辺にウソが現れるケースは多くなかったが、ことしは2月中旬から少なくとも30羽ほどの群れが目撃されていた。
会員らが一斗缶を棒でたたいて追い払っても、すぐに戻ってしまう。そこで、水田などで使われる爆音機を初めて導入。3月末まで公園中心部に置き、毎日午前6時半ごろから午後5時まで10分おきに音が響くようにした。会長の菅沼鑑二さん(79)は「爆音機から離れた桜は随分やられてしまった。これほど
の被害は近年なかった」と話す。
20日の「大鹿さくら祭り」を前に、村観光協会事務局の森菊枝さん(56)は「公園縁辺部の木は花がスカスカになった」と残念そうだ。
伊那市高遠町の高遠城址(じょうし)公園でも被害が見られる。市観光協会高遠支部には、観光客から「花が少ないのでは」との声が寄せられた。桜を管理する市振興公社の桜守、稲辺謙次郎さん(68)は「ウソなどに花芽をたくさん食べられてしまった。例年なら2月ごろからなのに、今季は12月から来てい
た」と話す。
この他、同郡天龍村の天竜川沿いや同郡松川町の町営温泉施設「清流苑」一帯でも同様の被害があった。一方、松本市の松本城や諏訪市の高島城などでは被害は確認されていないという。
野鳥に詳しい飯田市美術博物館専門研究員の山田拓(ひろし)さん(70)が同郡高森町山吹で実施している野鳥の調査では、ことし2月20日~3月20日のうち延べ18日で、10羽ほどのウソの群れを確認した。昨年の同時期の調査では1羽もいなかったという。「この冬は寒く雪が多かったため、標高の高
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