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- ID:
- 33871
- 年度:
- 2015
- 月日:
- 0912
- 見出し:
- 垂井の大ケヤキ倒れた 樹齢800年、宿場町のシンボル
- 新聞名:
- 岐阜新聞
- 元URL:
- http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20150912/201509121213_25709.shtml
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 旧中山道垂井宿(岐阜県不破郡垂井町垂井)にある樹齢約800年の岐阜県指定天然記念物「垂井の大ケヤキ」が11日、根元から倒れた。台風18号の影響が要因とみられる。根元には町名に由来する伏流水が湧く「垂井の泉」があり、町のシンボルとして親しまれた大ケヤキ。住民から残念がる声が
上がった。
町によると大ケヤキは高さ約20メートル、目の高さの幹の直径は約8.2メートル。1956年に県天然記念物に指定された。旧中山道から南宮大社に向かう参道沿いにあり、木の根元から湧き出る伏流水は、街道を行き交う旅人の喉を潤したとされる。地元住民の生活用水にも使われ、一帯は松尾芭蕉
の句にも詠まれた。
倒れたのは同日午前2時ごろとみられ、近くの住民が「どさっ」という物音を聞いていた。垂井の泉に覆いかぶさるように倒れていた。
町や地元の保存会が定期的に手入れし、樹脂を塗ったりウレタンマットを巻くなど保護してきたが、近年は栄養を取る主要な根が1本だけとなり、腐食も進行。町は昨年から本格的な保護策を検討していたが、その矢先だった。学芸員は「台風の強風と大雨で地盤が緩み、重さに耐えきれなくなったのでは」と
推測した。
町は撤去作業を開始。県歴史資料保存協会名誉会長の太田三郎さん(94)=同町垂井=は「幼いころから親しんだ木。残念な気持ちもあるが、大往生を遂げた」と惜しみ、町観光協会の早瀬正敏会長は「垂井のまちを見守ってきた歴史の証人。何らかの形で再生してくれれば」と願った。
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