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- ID:
- 33872
- 年度:
- 2015
- 月日:
- 0912
- 見出し:
- 垂井の大ケヤキ倒れる 県天然記念物、
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20150913/CK2015091302000018.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 垂井の大ケヤキ倒れる 県天然記念物、樹齢800年
垂井の泉に覆いかぶさるようにして倒れた大ケヤキ=垂井町で
写真
垂井町の史跡「垂井の泉」のそばに生える樹齢約八百年の県天然記念物「垂井の大ケヤキ」が十一日、倒れた。町のシンボルとして親しまれてきた木で、住民からは残念がる声が上がった。
ケヤキは高さ二十メートル弱、人の目線の高さの周囲は約八・二メートルで、幹の中は空洞になっている。腐食や老衰が激しく、昨年から県文化財審議会による保存整備の指導を受け始めたばかりだった。
近隣住民によると、十一日午前二時ごろ、ケヤキが倒れる「ボン」という軽い音がしたという。根の一部を残した状態で、垂井の泉に覆いかぶさるように東側へ倒れていた。
町教委によると、台風18号が過ぎた後に確認した際は異常はなかった。担当者は「一方の枝にだけ葉が茂ってバランスが悪かったのに加え、台風で地盤がゆるんだことが原因ではないか」と話した。
倒木は費用を見積もった上で、撤去時期を決める。残った根は、新芽が出る可能性があるか調査し、今後の保存方法を検討する。
十二日は倒木を知った住民が次々と訪れ、前後から眺めたり、写真を撮ったりした。翌日に周辺で中山道垂井宿まつりが開かれることもあり、準備の途中で立ち寄る人もいた。
「寂しいわな」。向かいで呉服店を営む西村勲さん(74)は、ケヤキをねぎらうように見つめた。垂井の泉保存会の会長として、ケヤキと垂井の泉の清掃に参加。「子どものころは木の中に入って遊んだもんや」と懐かしんだ。
ケヤキの西側にある玉泉寺の福地昭子さん(68)は「見えなくなるとぽっかり空いて変な感じ」としんみり。寺には、三十年ほど前にケヤキの枝が落ちた際、その枝で作った経卓がある。福地さんは「根だけでも保存してほしいけど、折れた木もまた物にして残せたら」と希望を話した。
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