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- ID:
- 23479
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0213
- 見出し:
- 県予算案 2年ぶり増
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20120213-OYT8T01127.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 一般会計6027億円 成長加速、観光など重点
県は13日、2012年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は、11年度当初比0・1%増の6026億7800万円で、2年ぶりに増加に転じた。県税収入の減少と社会保障経費の増額による厳しい財政状況の中で、重点施策として、▽成長に向けた取り組みの加速化▽安全・安心の確保と脱少子化
▽観光、文化、スポーツによる元気創出▽経済・雇用対策▽次代を担う人材育成のための教育環境の整備▽市町村、民間等との協働による地域活性化――の6項目を掲げた。予算案は、20日に開会する県議会第1回定例会に提出される。
■経済・雇用対策
円高の長期化や欧州の金融不安など県内経済を取り巻く環境が依然厳しいことを踏まえ、前年度から実施している雇用対策や消費の下支えなどを894億2432万円をかけ継続する。
国の緊急雇用創出等臨時対策基金事業終了による影響を緩和するため、雇用期間の上限に達した従業員を継続雇用する場合の助成費に県単独で4億円計上し、200人の雇用を創出。国の基金による約1800人と合わせ、計2000人以上の新規雇用につなげる。
県内の消費拡大策としては、住宅のリフォームや太陽光発電システムなどを導入する省エネ・新エネルギー導入を目的とした改修、秋田杉を使った住宅建設などの費用を助成するため、18億5520万円を盛り込んだ。県単独の公共事業にも前年度を約6億円上回る約172億円を投入する。
■新エネルギー
成長戦略の中核として、新エネルギーの導入を促進し、関連産業を創出・育成するために3億955万円を充てる。
発電事業では、県内事業者による風力発電への参入を促すため、導入可能性を探る調査などに2730万円を計上。発電事業者を対象とした最大15億円の新規融資制度の創設・拡充、今年度末に創設する再生可能エネルギー導入を推進する基金を活用した助成などで、事業者支援に取り組む。
関連産業の育成では、全体で3149万円を投じ、発電・蓄電・省エネの分野別に県内で共同事業体の形成を進めるほか、セミナーなどでの技術相談・指導、展示会への出展など販路拡大・PRにあたる。特に、企業が産業技術センターと共同で実施する新製品の研究・開発には、500万円を上限に費用
を全額補助する。
■震災対策
東日本大震災で発生した岩手県沿岸北部4市町村のがれき最大約13万トンの受け入れについて、秋田県は今月7日、岩手側と基本協定を締結した。これに基づき、市町村への処理の再委託や、放射性物質の監視態勢の構築などの費用として8803万円を計上する。そのほか、秋田杉を使った県産
木材製品を被災地などへ出荷する費用の助成事業3108万円など、復興支援全体で2億3810万円を充てる。
また、16億8316万円をかけ県内の防災態勢を強化する。学校の耐震化などハード面の整備に加えて、県の地域防災計画を見直す上で、地震や津波が発生した場合の被害の程度や影響を把握するための調査費用として4189万円、学校への指導者派遣など防災教育を推進する事業に374万円
など、ソフト面での防災力向上にも力を入れる。
■農業
農林漁業対策は、計67億1464万円。次世代を担う農業者育成を目指し、45歳未満の新規就農者や研修受講者に1人当たり年間150万円を支給する事業に2億5197万円を投入。経営規模拡大や農地集約化を進める農家への協力金交付事業に2億6018万円を盛り込んだ。
また、冬期間でも農作物が生育可能な「周年農業」の確立を目指し、地下水熱を活用した新たな農業施設の整備に5355万円を計上したほか、枝豆の生産量日本一を目指す事業に8814万円を投入する。
畜産関係では、高品質で希少性の高い国産ラム肉の生産を藤里町で進める「白神ラム」の生産拡大事業に743万円を盛り込み、林業では、秋田杉の原木需要の増加に対応するため、林業従事者の再編や法人化を進める団体に対し、高性能な林業機械の導入を補助する事業に1億7115万円を充
てた。
■医療
14年連続で全国ワーストが続くがん死亡率の改善を目指し、がん対策に4億7277万円を計上。がん患者の罹患(りかん)データの収集・解析やがん教育モデル授業などの推進に1753万円、県内外の医療関係者との連携強化事業に281万円を投入する。16年連続全国ワーストの自殺率改善にも
1億3374万円を計上。うつ病支援強化に約770万円を投入し、自殺未遂者対応の研修会開催費用として308万円を盛り込んだ。
過疎化と医師不足が深刻な北秋田医療圏の医療態勢強化に向けては、訪問診療に使用する車両の整備費などで5億6036万円を計上。老朽化が進む湖東総合病院(八郎潟町)の改築には9320万円を投入し、2013年2月の着工、14年5月の開院を目指す。
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