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- ID:
- 25979
- 年:
- 2012
- 月日:
- 1122
- 見出し:
- 藤原宮造営時の木くず 「朝庭」下層
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news/20121121-OYT8T01312.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 橿原市の国特別史跡・藤原宮(694~710年)跡で、宮殿造営で木材を加工する際に出た大量の木くずが出土し、21日、奈良文化財研究所が発表した。東西7メートル、南北7メートル以上にわたって堆積しており、藤原宮がどのように造られたかを伝える資料としている。
儀式などを行った宮の中心的な建物・大極殿の南にある広場「朝庭」の北東部1850平方メートルを発掘して、砂利が敷かれた広場を確認した。
出土した木くず。水に漬けて保存されている
調査した区域の北側で下の層を調べたところ、宮殿造営前に設けられた東西41メートル以上、南北約50メートルの人工的なくぼ地が見つかり、その南側に古代の大工道具「手斧(ちょうな)」や、「槍鉋(やりがんな)」などで木材を加工した際に出た長さ1~30センチの木くずが約10センチの厚さで堆積して
いた。遺物整理箱約180箱分で、木は針葉樹とみられる。
このほか、調査区域の南側では最大で東西4・8メートル、南北9・6メートルの建物跡3棟と、南北方向の柱の列5列が長さ4~8メートル分見つかった。宮殿の造営作業に関わる建物らしい。
同研究所の杉山洋・都城発掘調査部副部長は「木くずは役人が政務を執った建物の朝堂を建設する際に出たのだろう。当時の材木加工の様子がわかる」と話している。
現地説明会は23日午後1時30分から。小雨決行。近鉄耳成駅の南約1・5キロ。
(2012年11月22日 読売新聞)
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