今後 10 年から 20 年ほどのスパンで世界的な食料危機が訪れると言われている。そこで、森林生態学者の Steven Running 博士ら、モンタナ大学の研究チームは 1982 年以降の衛星観測記録と NASA
の地球観測システムのデータを組み合わせて、植物が光合成により生産する有機物の量を示す「純一次生産」を調査することで、地球上の植物の総量に変化があるかを確認した。その結果、植物が出す炭素は毎年 53.6
ペタグラムであり、純一次生産はほぼ一定のままであったという。つまり陸上植物の総量は過去 30 年間、変わっていないという結論だ (The New York Times の記事、本家 /. 記事、DOI: 10.1126/science.1227620 より) 。
Running
博士によれば、地球環境には一定のしきい値があり、地球上の有限植物は植物全体の生産性の上限「生命の限界」に近づいているという。人類による食糧事情改善があらゆる形で行われているが、今後も目に見える形で増えたりはしないだろうと指摘している。ただし、この調査結果は、人類が短期間で飢