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- ID:
- 24608
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0621
- 見出し:
- 日田林工高生 がれきから板
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/oita/news/20120620-OYT8T01430.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 日田市の日田林工高の「林産クラブ」が、東日本大震災のがれきを原料にした建材用の板を開発し、21日に大分市で開かれる「県学校農業クラブ大会」で発表する。2年連続で最優秀賞(環境部門)を受賞しているが、クラブは今年度いっぱいで廃部が決まっている。4人の部員は「3連覇して有終の美を
飾りたい」と意気込んでいる。
穴見翔部長(18)、田中優希さん(17)、大倉歩美さん(同)、本松美紀さん(同)(いずれも3年)らは、特産の杉の生育を阻害する竹の繊維やチップを使った板などを開発してきた。
3年間の集大成として、復興の足かせとなっているがれき処理にこれまでの技術を生かそうと、昨年9月から研究をスタートさせた。
津波にさらされた木材の性質を調べるため、海水と同じ塩分濃度の水に浸して、海水の浸透具合や接着剤の付き方などを試した。
5月には、クラブを指導する河津文昭教諭が宮城県石巻市を訪れ、同市の許可を得て、半壊した住宅から出た角材などのがれき約30キロを譲り受けた。
放射性セシウムなどの放射線量は、現地だけでなく、学校に運び込んだ時や破砕して板を作った後も測定。自然界の放射線量の国内平均と同レベルで、安全性に問題がないことを確認した。
開発した板は、強度も日本工業規格(JIS)をクリアしている。利益を加えても市場価格の半値ほどに抑えられるという。
部員が所属する林産工学科は、募集を中止しており、3年生が最後の卒業生になる。クラブは林業クラブに引き継がれる。
本番を直前に控えた19日、4人は発表の練習を行った。持ち時間の10分を計測しながら、話すスピードや言い回しなどを確認した。
穴見部長は「開発した板をなんとか実用化して、震災復興に貢献できたらうれしい」と話していた。(井上裕介)
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