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- ID:
- 24362
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0523
- 見出し:
- 住友林業、樹木育種センターに環境制御型の苗木生産施設を開設、通年出荷が可能
- 新聞名:
- ECO JAPAN
- 元URL:
- http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20120522/112682/
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 住友林業の100%子会社である住友林業フォレストサービスは、宮崎県日向市の樹木育種センターに環境制御型の林業用苗木の生産施設を開設した。2棟の温室と作業棟1棟で構成し、温度、湿度を最適に制御することで通年での苗木の生産と出荷が可能になり、生産量が大幅に増加する。作業効率
の向上と生産コストの低減にもつながる。
社有林の木が伐採の時期を迎えていることから、部分的な伐採ではなく一定の面積をまとめて伐採する方法に本格移行するため、優良な苗木を大量に低コストで生産するシステムが必要になった。当初は、九州の社有林向けに生産する。センターの露地育苗でのスギ苗木生産量は年間約7万本だが、新
施設で年間を通して生産できるようにして、約3倍の年間20万本に拡大する。
露地育苗は植栽時期が春先に限られるが、新施設では専用の育苗容器で「コンテナ苗木」と呼ぶ土付きの苗木を生産し、厳冬期を除く通年で植栽を可能にする。これによって作業が年間で平準化できることに加え、1500本以上のコンテナ苗木を載せた育苗用の台を1人で移動させられる方式を採用して作
業を容易にした。大量生産と作業の効率化で施設の稼働率が高まり、単価も低減する。
今後は、植栽する土地の条件に合った苗の計画生産を目指し、九州各地で約1000個体のスギのDNAを採取・分析してデータベース化を進め、森林造成に適した苗木の規格や植栽の時期、方法の研究を続ける。住友林業は、苗木生産の近代化や育林作業の効率化に取り組むとともに、再生産可能な
木質資源の有効活用も含め、林業の活性化を推進する。
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