v10.0
- ID:
- 同クラブでは、今後もこの並木の桜の生育状況を観察するとともに、並木周辺の清掃活動を行う予定。
24287
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0515
- 見出し:
- 氷河期のスカンディナビア半島に針葉樹 東北大などが発見
- 新聞名:
- 河北新報
- 元URL:
- http://www.kahoku.co.jp/news/2012/05/20120515t15008.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 東北大大学院農学研究科の陶山(すやま)佳久准教授(森林分子生態学)とスウェーデン、デンマークの大学などの国際共同研究グループは、氷河期時代の北欧スカンディナビア半島に針葉樹のマツやトウヒが分布していたことを突き止めた。氷河期の同半島は氷河に覆われ、植物は生存しないとみられ
ていたが、最寒冷期の2万年前の植物のDNA分析で針葉樹の分布を確認した。植生変遷史の常識を覆す成果として注目される。
研究グループは、学会の一部で指摘され始めた「氷河期のスカンディナビア半島にスポット的に避寒地があった」との仮説に着目。氷河期が終わった1万年前に温暖な欧州側から針葉樹林が広がったならば「現在の生育分布に照らして植生のスピードが速すぎる」と疑問を持ち、研究を始めた。
陶山准教授らは2008年4月、同半島のノルウェー中部にある2カ所の湖の底からボーリング機器で土壌を採取。スウェーデンのウプサラ大に運び、土壌から花粉を取り出してミトコンドリアDNAを分析した。
6000年前の土壌から、ドイツトウヒ2種類のDNAを検出。1種類は現在、同半島にだけ分布するタイプで、もう一つは欧州全体で生育する種類だった。約1万300年前の土壌も分析し、同じ2種類のトウヒのDNAを検出した。
グループ内の別チームも、半島内の別の湖の2万年前の土壌からマツとトウヒとみられるDNAを検出した。
陶山准教授は「2種類のトウヒは欧州から波及し植生したのではなく、1万年前から細々と生き残ってきたのだろう」と話す。
日本でも宮城県の牡鹿半島のモミ、鳥ならライチョウなどが氷河期の生き残りという。陶山准教授は「遺伝子資源として重要だ。海流や地形の影響とみられる避寒地の重要性も見逃せない」とし、「気候変動が注目されているが、気温に対応して生育分布域が画一的に変わっていくとは限らない」と話した。
成果は米科学誌「サイエンス」に掲載された。
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