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- ID:
- 柵は31日に完成する予定。澤田さんは「陸前高田の皆さんに長い間大切にされてきた松。ここでずっと柵として残って、新しい苗を育んでほしい」と話していた。
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- 年:
- 2012
- 月日:
- 0329
- 見出し:
- 戦禍逃れたピアノ復活へ
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元URL:
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/294208
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 戦時中の金属供出を免れた90年近く前の国産グランドピアノが福岡県福智町で見つかり、修復が進んでいる。夏ごろ仕上がる予定で、ピアノを見つけた福岡市中央区の声楽家荒木美帆さんは、年末の東日本大震災の復興支援コンサートでのお披露目を計画。「ピアノがよみがえるのに合わせ、被災地
再生への支援を届けることに縁のようなものを感じる」と復活の調べを奏でる日を心待ちにしている。
ピアノの持ち主だったのは、17年前に亡くなった荒木さんの父方の祖母イサ子さん。1930年代、夫の良和さんが朝鮮総督府で農業普及員として働いていたころ、イサ子さんは総督府の要人たちに趣味のピアノを披露することがあり、2人が日本に戻る際、お礼に贈られたという。
荒木さんがイサ子さんから聞いた話によると、太平洋戦争中に武器などの材料として国に供出される危機にひんしたが、自宅にあった別のグランドピアノやオルガンを提供したことで回避。そのまま巨大な木箱に入れられてイサ子さん宅の倉庫にしまわれていた。一昨年の10月、荒木さんが倉庫を整理中に
見つけた。
ヤマハ製で、同社広報部によると、型番から製造は1925(大正14)年とみられ、同時期のもので現存する台数は不明という。日本ピアノ調律師協会九州支部長の川中伸也さん(67)は「エゾマツなどの木材が使われており質が良い。めったに見られるものではない」と話す。
鍵盤が腐り、弦もさび付くなど傷みが激しかった。昨夏から、色あせた黒い塗装を剥がして木目に近い赤みがかった色に塗り直したり、弦やペダルを交換したりする修復を開始。福岡県久山町の工房で作業に当たる調律師の徳田和孝さん(64)は「これほど古いものは初めて。非常に手間が掛かる分、やり
がいがある」と言う。
荒木さんは昨年、震災の復興支援のために市民合唱団「メサイア」を結成。年末には福岡市で初の支援コンサートを開いた。今年12月にもコンサートを企画しており、修復できればピアノを伴奏に使う。「祖母から話は聞いていたが、本当にあるとは思わなかった。長年眠っていたピアノからどんな響きが奏で
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