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- ID:
- 23863
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0327
- 見出し:
- マンションでも無垢材 スギやヒノキ、床や壁に
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/kaiteki/20120326-OYT8T00267.htm?from=osusume
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 張り合わせをしていない無垢
むく
材を使ったマンションリフォームへの関心が高まっている。スギやヒノキなど天然の板を床や壁に使い、木のぬくもりを実感できる。ただ、管理組合の規約で工事に制約があるマンションもあり、注意が必要だ。
東京都品川区の佐藤葉子さん(45)は、中古で購入したマンション(約60平方メートル、築約40年)を千葉県大多喜町産のスギの無垢材でリフォームし、2年前から夫と二人で住む。
玄関の扉を開けると、爽やかな木の香りが広がる。洗面所などを除く床全面に並ぶのは、厚さ15ミリのスギ板だ。板ごとに木目や色合いが微妙に異なり、天然の木ならではの味わい。遮音対策のため、ゴム製の脚で支える内床を作り、その上に敷いた吸音材のマットに無垢材を固定している。
壁の一部にもスギ板を張り、作りつけのパソコン机や棚などもスギ材だ。佐藤さんは産地の森に何度も足を運んでおり、リビング中央に設けた枝付きの木の柱は、伐採前に自分で選んだ。「飼っているオカメインコの止まり木にしています。見るたびに豊かな森のことを思い出します」
マンションなどで使われる木材は、薄い板を張り合わせた合板が主流。無垢材は値は張るものの、自然の木の感触や経年変化を楽しめる。
佐藤さんは入居直前に1回、入居後にも1回、床のワックスがけをした。「手入れをするのも、自分たちで家を育てているようで楽しいです」と話す。間取りの変更やキッチン、風呂の入れ替えなども含め、リフォーム総額は約800万円だった。
佐藤さん宅のリフォームを担当した建築家の古川泰司さんは、木材利用の普及活動にも携わる。「最近は、マンションでも木の香りや手触りを味わいたいと、内装に無垢材を選ぶ人が目立つ」と話す。
「三井のリフォーム住生活研究所」(東京)所長の西田恭子さんは無垢材を使ったマンションリフォームの注意点として、「下の階に音を漏らさない工事が必要」と話す。
多くの管理組合では、下の階に生活音が漏れないよう、一定の遮音性能がある床材を使うことを管理規約などで定めている。西田さんによると、遮音マットを床に敷いてその上に無垢材を固定するか、遮音性能が認められている床材で内床を作る方法が一般的に用いられているという。
ただ、管理組合によっては、フローリング工事を認めていない場合もある。マンションに関する相談を受け付けているNPO法人「集合住宅管理組合センター」(東京)常務理事の有馬百江さんは「どのような工事ができるのかは管理規約などを確認すること。多くの管理組合はリフォーム前に届け出を求めてい
るので注意して」と指摘する。
気密性の高いマンションでは室内が乾燥し、無垢材は工事終了後に木が反ったり、割れたりする場合がある。全国約100社の工務店でつくる「町の工務店ネット」代表の小池一三さんは、「木は生きた材料で、完成後にも変化する。気軽に相談に乗ってもらえる業者に工事を依頼するほうが安心です」と話
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