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- ID:
- 23673
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0306
- 見出し:
- 孔子ゆかり「学問の木」、枯死の危機から再生
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120303-OYT1T00370.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 孔子にちなんだ由来から「学問の木」の別名で知られ、腐食が進んでいた県立森林林業技術センター(宍粟市山崎町五十波)内の落葉高木「ランシンボク」(高さ16・2メートル、幹回り1・9メートル)が、樹木医らの努力で息を吹き返し、2日にお披露目式が開かれた。
式には、同センター内にある県立山の学校の男子生徒ら約20人も参加。よみがえった木を前に、関係者たちは「これからも生徒たちを見守ってほしい」と願っていた。
ランシンボクはウルシ科で中国が原産。山東省の孔子廟
びょう
(墓所)に植えられたランシンボクの種子が、1915年に日本に持ち込まれ、36年には同センターの前身である県立林業試験場などに苗木が配られた。
2010年秋、同センターのランシンボクの幹の一部に腐食が見つかった。そのままでは枯死する恐れがあったため、11年3月、宍粟市などの樹木医や同センターが治療に乗り出した。
腐った部分を切除して防腐剤を塗布。土が硬く、根の発達を阻害していたため、軟らかくて保水性の高い土に替えた。山の学校の生徒たちも、1年間にわたって周りの木の伐採や草刈りを行い、木の再生を見守ってきた。
お披露目式は、9日の同校の修了式に合わせて開かれた。生徒たちがランシンボクの解説や植栽された経緯などを記した看板(縦60センチ、横24センチ)を設置。その後、生徒代表(21)が、樹木医やセンターの職員に「ランシンボクに見守られて、日々学ぶことができました。これからもこの木のように、強
く真っすぐ歩んでいきます」とあいさつした。
樹木医の一人(80)は「幹の具合や枝の伸びなど、状態が良くなってほっとした。生徒のみんなには、木を大切にした心を忘れずに社会で活躍してほしい」と話していた。
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