v10.0
人の手が欠かせないことを分かりやすく説明した。
- ID:
- 49825
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0224
- 見出し:
- 食卓に「楽しいスキマ」をつくる
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/interior/recommend/20110223-OYT8T00388.htm?from=yoltop
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 「カッティングボードがあると、器を並べた食卓にほどよい“スキマ”ができる。テーブルの上が少し自由になるような気がします」
という言葉に目からうろこ。カッティングボードってまな板の小さいヤツ? ぐらいの認識でいた私にそう教えてくれたのは、千駄ヶ谷にある器の店「SHIZEN(しぜん)」の刀根弥生
とね・やよい
さんです。
実はワタクシ昨年末、雑誌のキッチン取材を通して、あることに気づいてしまったのです。それは、人気のフードコーディネーターさんも、器に詳しいインテリアスタイリスト嬢も、料理好きなあの友人も、センスがいい人は皆カッティングボードが好き!という事実。というワケで、「どうして、カッティングボードなの?」
と思っていた疑問を解消すべく千駄ヶ谷へ。なぜなら、SHIZENにはランチやお茶が楽しめるカフェ&バーも併設されているし、スタッフがみんな美味しいモノ好き。きっとリアルな使い勝手が聞けると思ったから。
「たしかに“小さなまな板”ですから、少量の野菜や果物などを切る時にさっと使えて便利ですよね。あとは、お酒のつまみや前菜を並べる板皿のかわりにもなるし、パンとスープをのせて一人分のランチトレイにするのも楽しい。ちょっと熱いもの、たとえばポットなどを置くときにも便利です」と刀根さん。なるほど、
まな板でもあり板皿でもあり、鍋敷き?にもなる、と。
「いちばん楽しいのは、パンやチーズをのせて食卓に出し、それぞれが自由に切って食べる……みたいな使い方。きちんと切り分けてから出すのもいいけれど、たとえばバゲットのサンドイッチを長いまま出して、銘々、好きなだけ切ってもらうんです。器に乗せるよりもラフで、気兼ねなく手をのばせる感じがしま
す」
そして、冒頭のこの言葉に続くのです。「カッティングボードがあると、食卓に“スキマ”が生まれる」。陶器や磁器が並ぶテーブルに木のボードが置かれることで、見た目にリズムが生まれるという意味もありますが、大切なのは、こういう使い方のアイテムがひとつ加わることで、食卓がぐっと自由になるということ。
“スキマができる”って、心地いい言葉!
さて、そんな刀根さんの言葉に胸躍らせつつ見せてもらったのが、埼玉で活動する金属造形作家、田中俊介さんのカッティングボード。少し厚手の木製ボードに鉄の持ち手を付けた、シンプルなデザインです。持ち手が斜め上に向けて付けられている、つまりテーブル面やワークトップとの間にスキマができる
ので、すっと手にとりやすく置きやすい。また、ボードの裏面を彫って持ち手を接合しているため、表面積をフルに使えるのもうれしいポイントです。さらにさらに、持ち手の端が輪っかになっていて、壁にかけられるようになっている!
ボード部分の素材は2種類。少し濃い色で木目が美しいサクラは、やや重めでしっかりした手ざわり。白っぽく明るい色のイチョウは、軽くて比較的やわらか。包丁の刃をやさしく受け止めてくれるのだそうです。また、サイズはいろいろありますが、「最初は小さめのもの、手持ちのまな板とかぶらないサイズがお
すすめです。果物やチーズなど小さなものを切ることが多いし、使いたい時にパッと手にとれるから」。
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