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- ID:
- 49380
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0106
- 見出し:
- 住民一丸で守ったケヤキ 経緯を写真絵本に 高砂
- 新聞・サイト名:
- 神戸新聞
- 元URL:
- http://www.kobe-np.co.jp/news/touban/0003717137.shtml
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 高砂市で11年前、道路拡張のため伐採の危機にあった2本のケヤキが、一転して移植・保護されたいきさつをつづった写真絵本「空をとんだケヤキの木」が完成した。木を守るため奔走した住民らが制作し、収益は、移植後に枝が枯れるなどした「後遺症」の治療費に充てられるという。(黒田恵子)
2本のケヤキは、推定樹齢300年と200年。江戸末期から続く造り酒屋の敷地(同市米田町米田)にあったが、県道の拡張工事で2000年に伐採されることになっていた。豊かな緑が茂る地域のシンボルを惜しむ住民の声を受けて、この造り酒屋や県などが協議し、近くの市有地へ移植された。
ところが、07年ごろから、枝や根が枯れる症状があらわれた。樹木医による治療費を捻出するために、08年に住民有志で寄付金を募るコンサートを開催。症状は回復へ向かっているが、健康な状態に戻るには数十年かかる見通しだ。
今後の治療費を工面するために、昨年秋、作家の西村恭子さん(66)=加古川市東神吉町=らが、地元のロータリークラブや印刷会社の協力を得て、ケヤキを主役にした本を制作。伐採の危機から保存への経緯、地域住民らの取り組みなどを、写真と文章でつづった。
西村さんは「木に心を寄せる地域の姿を形にしたかった。多くの人たちの思いが詰まった、すがすがしい本になった」と、充実した表情で語っていた。
A4判変型32ページで、1050円。3千部発行。「空をとんだケヤキの木」事務局TEL079・431・9011
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