v10.0
経済性だけでなく、環境面、社会面を考えて自分でエネルギーを選択する時代が来ていると思います。
- ID:
- 52387
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1214
- 見出し:
- 特許装置で倒木防げ
- 新聞・サイト名:
- 下野新聞
- 元URL:
- http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/utsunomiya/news/20111213/676970
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- NPO法人日本樹木育成研究会(小幡2丁目)の理事長で樹木医の吉沢光三さん(77)は、群馬大と共同開発した「樹幹の空洞状況推定装置」で特許を取得した。樹木の幹をたたき、その打音を解析することで幹内部の空洞の大きさや位置を推定する装置。空洞状況から風害による倒木の危険度を算出
でき、早期の対応が可能になるという。吉沢さんは「長年の夢がかなった。日光杉並木や全国の銘木、古木の保存に活用してほしい」としている。
吉沢さんは、かねて日光杉並木のスギで幹内部の空洞化が進み、強風による倒木や枯死につながっている状況を憂慮。2005年から群馬大工学部の白石洋一准教授らと共同研究を進めてきた。同年に特許も出願し、6年目での登録となった。
装置の開発は、打音が突発的に発生し、かつ長時間は継続しない特性に着目。幹の周囲計8カ所にマイクを取り付け、樹幹をたたいて得られた打音をコンピューターで解析する。音波の波形、時間変化を画像で表し、その特徴から空洞の有無や位置などを推定する。
これまでにこの装置を使って日光杉並木のスギやヒノキ、ヤマザクラなど約5万本のデータを収集分析。当初は木製20+ 件ハンマーでたたいて得た打音を機械でたたいて得る方法に変えるなど、データ収集、解析の精度アップにも努めてきた。
現在は樹木1本当たりの推定が早ければ1時間で可能となり、実際に樹木を切って断面を調べた結果との一致率は83%だったという。
樹内部の空洞状況を推定する手法としては、既に超音波やガンマ線などを利用した複数の製品が開発されているが、吉沢さんは「これまでの手法より、幹に傷やダメージを与える可能性が少ない」と自信を示す。その上で「今後さらに改良を加え、1本の解析を20分程度にまで早めたい」と話している。
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