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- ID:
- 52379
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1213
- 見出し:
- エネルギーの「自立」
- 新聞・サイト名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000411112120001
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 今年を振り返ると、3月11日の東日本大震災以来、安全安心な生活とエネルギーがとてもクローズアップされた年だと思います。
私は大学で「環境エネルギー論」を教えています。震災後、その内容を大幅に変更しなくてはならなくなりました。エネルギー供給は国家の大きな使命であり、それゆえ長期的な視野に立ち、安定した供給が求められます。
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大学では、エネルギー政策と、エネルギー生産と利用に伴う環境影響を学ぶ予定でした。これを変更し、新エネルギーと言われる太陽光、風力、地熱、バイオマス発電と水力を採り入れた講義にしました。
私たちの利用するエネルギーをどうしてゆくべきなのか?という問いへの答えは「安全安心」に加え、「多様性」「自立」というキーワードがあがります。
岐阜県が進めるエネルギー自立型スマート・ハウスというモデルハウスでは、家庭で使うエネルギーの自立化を達成しています。ガソリンや石油といった化石エネルギーを使わず、太陽光発電、風力発電と蓄電池、電気自動車などにより自前でエネルギーを調達し、利用しています。
ユニークなのが、冬場の暖房には里山の間伐材を使った薪(まき)ストーブを利用することです。
我が家も震災以降、エネルギー供給と利用を一新しました。屋根にソーラー発電パネルを載せ、ソーラー給湯システムとヒートポンプを組み合わせました。クーラーは使わず、天井のシーリングファンで夏を過ごします。急な温度変化がなく風邪知らず。売電のお陰で夏は1万円ほど電力会社から振り込みが
あります。
冬はペレットストーブを導入しました。山林で間伐された木を加工し、豆粒ほどの木質ペレットを燃料とするストーブです。
富山では丸新志鷹建設が地元の山林から作った「とやまペレット」を販売しています。リビングに火があると、暖かくリラックスできます。ストーブ一つで20畳は暖めることができ、毎月の費用は我が家で6千円程度です。
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富山県でも、とやま地球温暖化対策地域協議会がスタートしました。化石燃料を使う石油ストーブといった暖房機をペレットストーブに代替し、削減される二酸化炭素を集計し、その二酸化炭素削減クレジットというものを、企業などに販売します。これをストーブユーザーにペレット燃料で還元するというシステ
ムを作り上げました。富山の森林の整備、林業の活性化も目指しています。
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