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- ID:
- 52173
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1121
- 見出し:
- 日吉桜“本家”復活を 会結成し境内に苗木移植へ
- 新聞・サイト名:
- 京都新聞
- 元URL:
- http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20111120000010
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 大津市坂本の日吉大社から広まった八重桜の一種「日吉桜(ひよしざくら)」を同大社境内に復活させるプロジェクトが始動する。日吉桜は「日吉大社境内にある」と記す図鑑や文献が多いが、実は20年以上前に姿を消していた。今後、県外にわずかに残る日吉桜を基に接ぎ木の苗木を植える計画で、“本
家再興”へ「日吉桜の会」を近く設立する。
■20年前、立ち枯れ姿消す
日吉桜は山桜の一種で、一輪に30枚程度の淡紅色の花びらを付ける。赤茶芽で、雌しべが2本あるのが特徴。
社伝によると、古くは「地主権現(じしゅごんげん)」と呼ばれた同大社東本宮近くにあったことから「地主桜」と呼ばれ、平安末期の歌人西行(さいぎょう)が「一重ずつ 七の社(やしろ)に 手向けても なお余りある 八重桜かな」と詠んだという。「桜守(さくらもり)」として知られる京都の佐野藤右衛門さん(先代
)が1937年に見いだし、「日吉桜」として全国に広まった。
現在、東京・多摩森林科学園や大阪・造幣局など十数本が確認されているが、日吉大社一帯では最後の一本とされた木が約20年前に立ち枯れており、発祥の地として復活を図ることを決めた。
桜の愛護団体・日本さくらの会(東京都)を通じて苗木を入手する予定で、桜についての学習や苗床作りを進める「日吉桜の会」をまず立ち上げる。初の集いは27日午前9時半~正午に同大社で。ボランティアの参加を歓迎する。
馬渕直樹宮司(58)は「日吉大社西本宮が鎮座1350年を迎える7年後には咲くようになれば」と期待。順調にいけば湖国三大祭りの一つ「山王祭」が盛り上がる4月ごろの風物詩になりそうだ。
当代桜守の佐野藤右衛門さん(83)=京都市右京区=は「面白い試み。ただ、比叡山中を探せば日吉桜のような木がまだあるはず。種から育てると寿命も長くなり、その方法も検討して」と助言している。
「日吉桜の会」問い合わせは同大社TEL077(578)0009へ。
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