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- ID:
- 52168
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1121
- 見出し:
- 真脇遺跡にアテの木柱 「環状」は全国初
- 新聞・サイト名:
- 富山新聞
- 元URL:
- http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/H20111118103.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 能登町の国指定史跡、真脇遺跡の発掘調査で、同町真脇遺跡縄文館は17日、縄文時代 後期から晩期(3200~3300年前)の地層から計32本の木(もく)柱(ちゅう) 根(こん)を発見、このうち11本がアテ材だったと発表した。11本中7本は、柱を並
べた遺構「環状木柱列」である可能性が大きい。全国でこれまでに見つかった同遺構は全 てクリ材が用いられており、アテ製は例がない。同館は来年度以降、詳しく調査する。
木柱根32本は昨年度から今年度にかけての発掘で確認された。環状木柱列の一部と考 えられるアテ材7本の断面は、いずれも丸太を半分に割った半円形だった。奈良教育大の 金原正明教授(環境考古学)の分析でアテ材と分かった。
発掘に当たった同館の高田秀樹館長によると、アテ材7本の位置関係から、まだ見つか っていない3本と合わせ計10本で環状木柱列を形作っていた可能性が大きい。来年度の 調査で特定する。
同館によると、これまでに確認された環状木柱列は全国に約20例。暦や宗教儀礼を行 った施設など諸説あり、何に使われたかよく分かっていない。真脇で1982(昭和57 )年に見つかった約2800年前の遺構や小矢部市の桜町遺跡の例を含め、全てクリ材が 用いられていた。
先に真脇で見つかった環状木柱列は、高さ約7メートルのクリ材を使って復元され、今 月9日に完成したばかり。同館の高田秀樹館長は「従来の定義を考え直すことになるかも しれない。発掘に携わる者として非常に期待している」と今後の調査を見据えた。
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