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- ID:
- 52148
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1017
- 見出し:
- 世界遺産の屋根守る
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20111116-OYT8T00021.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 南砺市の世界遺産である合掌造り集落の中で、菅沼集落の住民が屋根に使うため、新しい茅(かや)場を造成する準備を進めている。草刈りなどを済ませた約1000平方メートルの休耕地に、19日に約150株の茅を植える予定。担い手不足などで地元産の茅が減少傾向にあるが、「世界遺産の生活を
守りたい」と意気込んでいる。
造成を企画したのは集落全6世帯の住民で作る越中五箇山菅沼集落保存顕彰会。今年度から始まった県の中山間地域チャレンジ支援事業に採択され、25万円の補助を受けて造成を試みる。
菅沼世界遺産保存組合によると、茅葺き屋根のふき替えは15~20年周期で行われ、同集落では市教委の計画に基づき、毎年2~3棟の屋根で半面ずつ行われる。かつては各家が茅場を持ち、自給が可能だったが、道路拡張や空き家増で集落内の茅場は年々減少。今は県外産の茅でふき替えら
れる家屋もある。
今回の造成予定地は、南砺市菅沼の国道156号沿い。菅沼集落の駐車場の向かい。同会事務局の荒井崇浩さん(33)は「世界遺産は建物だけじゃない。その家がどうやってできているのかを知ってもらいたい。里山保全にもつながり、観光資源にもなるはず」と語る。
県西部森林組合五箇山支所(南砺市下梨)によると、五箇山地区でふき替えに使われる茅は年間2万束以上。このうち地元産は1万束程度で、今年度は宮城、岐阜両県から大量に購入する予定だ。ただ、茎の中が空洞の地元産の「小ガヤ」に対し、「大ガヤ」と呼ばれる県外産は、茎が太くて空洞もない
。このため、通気性が悪く屋根雪で痛みやすいという。
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