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- ID:
- 52102
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1110
- 見出し:
- 明星桜クローン苗帰郷 来春にも伊万里市東山代町に
- 新聞・サイト名:
- 西日本新聞
- 元URL:
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/272579
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 樹齢800年以上とされ、枯死が懸念されている、伊万里市東山代町浦川内地区の県天然記念物「明星桜」のクローン苗木が、熊本県の研究施設で順調に生育、来春にも同地区に返還されることになった。住民でつくる保存会が、明星桜を後世に残そうと依頼していた。
明星桜はエドヒガン系で、周囲5メートル、高さ13メートル。中世の武士団「松浦党」源直(みなもとのなおす)の家臣で、京都の公家だった浦内淡路守(うらうちあわじのかみ)が望郷の念に駆られ、京都の壬生寺から持ち帰った、との言い伝えがある古木。見ごろになると、九州各地から大勢の花見客が訪
れる観光スポットだが、近年、花の付きも悪くなるなど樹勢の衰えが目立ち、樹木医の治療もたびたび受けている。
このため保存会は、衰弱する天然記念物の巨木、名木を増殖させて戻す独立行政法人「森林20+ 件総合研究所 林木育種センター九州育種場」(熊本県合志市)の「林木遺伝子銀行110番」の制度(無料)を活用した。
2010年1月に同研究所職員が枝を持ち帰り、接ぎ木によって明星桜のクローン苗60本を栽培。このうち、現在1・2-1・7メートルと順調に生育した10本が、来年2-3月に保存会に引き渡される予定という。
保存会では2、3本を明星桜の近くに植え、「親子明星桜」を住民の憩いの場にしたい考え。会長の城野道範区長(65)は「願いがかないほっとしている。住民で大切に守り、育てていきたい」と“帰郷”を心待ちにしている。
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