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- ID:
- 52078
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1108
- 見出し:
- 県内のケヤキ彩りに異変 昆虫の食害で紅葉前の落葉目立つ
- 新聞・サイト名:
- 信濃毎日新聞
- 元URL:
- http://www.shinmai.co.jp/news/20111107/KT111104FTI090040000.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 県内の広い地域で今秋、ケヤキの葉が紅葉する前に落ちてしまう「異変」が目立っている。ケヤキの葉を食べる昆虫「ヤノナミガタチビタマムシ」が大量発生、夏以降に食害が増えたためだ。県林業総合センター(塩尻市)によると、放置しても樹勢には影響しないため、「ナラ枯れ」のような実害はない。ただ、信
州の豊かな紅葉を楽しむ人にとっては、少しだけ彩りを欠いた秋になりそうだ。
同センターによると、同様の現象は長野市西部の犀川沿いで多く見られるほか、須坂市、東筑摩郡生坂村、下伊那郡南部、木曽郡などで確認。長野市信州新町や同市信更町では「夏ごろから山肌に目立ってきた」(県長野地方事務所林務課)という。住民からも「ケヤキの色がおかしい」との問い合わせ
が8月下旬ごろから県などに寄せられていた。
葉の食害は主に夏以降に発生する。木が成長する春から夏は葉が普通に茂るため、同センター育林部の岡田充弘主任研究員は「木が枯れる心配はなく、主な問題は景観への影響」と指摘。ある年に大量発生しても、2、3年で被害は収まるという。長野森林組合(長野市)も、「カシノナガキクイムシ」が
樹幹に侵入して繁殖させた病原菌の影響でミズナラやコナラが枯れる「ナラ枯れ」とは異なる―と組合員に説明している。
一方、観光関係者からは影響を懸念する声も。同市信州新町観光協会の中村一雄会長(84)は「天候か何かの影響かと思っていた。観光客からも『例年より紅葉が寂しい感じ』との声が聞かれる」。生坂村の村営宿泊施設「やまなみ荘」の担当者は「ケヤキの被害の影響で少しくすんだ紅葉かもしれない
が満足してくれる顧客はいる。山全体の今後の色付きに期待したい」と話している。
同センターによると、「ヤノナミガタチビタマムシ」は2004年に中野市や飯山市で大量発生した事例がある。毎年一定量の発生はあるが、枯死などの害がないため統計をとっておらず、大量発生の周期なども分かっていない。
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