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- ID:
- 52051
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1105
- 見出し:
- 地すべり学会、栗原・崩落地活用へ現地検討会
- 新聞・サイト名:
- 河北新聞
- 元URL:
- http://www.kahoku.co.jp/news/2011/11/20111104t13022.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 土砂災害研究の立場から被災地の復興を考えようと、日本地すべり学会東北支部は2、3の両日、2008年に岩手・宮城内陸地震で被害を受けた栗原市栗駒耕英などで現地検討会を開いた。栗駒山の崩落地を防災教育や観光に活用する市の計画に対して、学会東北支部が現場の安全性確保に協力
する意向を示した。
地質調査の技術者や東北森林管理局、栗原市の担当者、地元住民ら約30人が参加。2日に栗駒地区の崩落地3カ所を視察し、3日は耕英地区の宿泊施設「ハイルザーム栗駒」で討論会を行った。
荒砥沢ダム北側で起きた大規模地滑りなどの被災現場を一般公開する場合の安全対策が論点となり、「景観を望めるビューポイントは安全性が不可欠。地元住民も震災の記憶が風化しつつあり、早期の設置が求められる」などの意見が出た。
研究者の専門知識や経験を危険性の判断に生かすことも提言され、支部長の檜垣大助・弘前大教授は「防災対策に加え、リスク管理も学会の役割となる。行政にも協力できる」と述べた。
栗原市は「栗駒山麓崩落地・景観活用検討委員会」がまとめた提言「将来ビジョン」に基づき、被災現場各所にビューポイントや工事見学スポットなどを整備する方針。 中でも荒砥沢ダム北側の地滑りは国内最大級の規模とされ、斜面の長さ約1.3キロ、幅約900メートル、動いた土砂の量は約6700万立方メートル。落差最大約150メートルの巨大な崖が出現した。東北森林管理局が崩落の拡大などを防ぐ安全対策工事を行い、現場の監視を続けている。
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