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- ID:
- 52024
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1101
- 見出し:
- 10月31日付・スギの木を見る目
- 新聞・サイト名:
- 四国新聞
- 元URL:
- http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/column/20111031000107
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 山登りをしていて、よく感じるのは「こんな所に」と思う場所にまで、スギの人工林が存在することだ。国土の3分の2が森林である日本は、その約40%がスギなどの人工林。
山奥の急峻(きゅうしゅん)な場所にまで植えられたスギ林の多くは、間伐などの手入れが行き届かずに荒廃が目立つ。生き物の姿が少ない薄暗い林床などを目にするにつけ、スギ花粉症に悩まされる身としては、スギの人工林についつい厳しい目を向けたくなる。
慢性的な赤字と高齢化が原因で停滞が著しい日本林業20+
件。その再生のため、熊崎実・筑波大名誉教授は、地域レベルで間伐や択抜などを行って木材を供給、無垢(むく)の木材から集成材、パルプ用チップなど多様な製品を生み出し、木を余すところなく使うことの重要性を指摘している。木材を燃やして電気や熱を生み出す「バイオマスエネルギー」として利用
することも重要な用途だ。
育った木を切って石油や石炭の代替にし、その後に若い木を植えて二酸化炭素を吸収させる、というサイクルができれば、安価で効率的な地球温暖化対策になる。
福島原発事故を受けて、再生可能エネルギーによるエネルギーの地産地消を実現しようとの機運が高まっている。地域振興や雇用創出、エネルギー面での自立のためバイオマス資源の有効利用を進めることは理にかなっている。
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