v10.0
- ID:
- 51912
- 年度
- 2011
- 月日:
- 1018
- 見出し:
- 樹齢600年大モミの切除に賛否 おおい、倒木危険で苦渋
- 新聞・サイト名:
- 福井新聞
- 元URL:
- http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/31042.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 福井県おおい町岡安の依居(えこ)神社にある、樹齢600年とされる大モミ(県指定天然記念物)が、強風などに見舞われた際に倒木する可能性が高まっているとして、同神社は17日、幹上部の切除と、切除部分の保護などの工事を始めた。木の切除は地元の氏子、町、樹木医らが検討を重ねた末の苦
渋の決断。切除が木の生存にどの程度の影響を与えるかは現段階では不明だが、氏子たちは「何とか生き延びてほしい」と願っている。(野田勉)
大モミは、923年創建とされる同神社の境内にある。高さ約40メートル、根回り約11メートル、目通り(目の高さの太さ)約6メートルで、全国的にも有数の巨樹とされる。1969年に県天然記念物に指定された。
幹は、80年ほど前に実施した幹の切除や、腐朽菌の侵入などの影響で、高さ約30メートルの部分で芯(しん)材が空洞化し、現在も腐朽が進行している。地元の要請を受け、樹木医の池上成志さん(れいなん森林20+
件組合)が2008年、大型クレーンを使って空洞に樹脂を詰めるなどの回復措置を施した。
しかし昨年末、大雪の重みで付近の枝が落ち、空洞が一気に広がった。強風などで空洞部分から幹が折れる危険性が高まったため、木の世話をしてきた氏子たちが今年8月、町に保護を要請した。
その後、町教委や樹木医などが対策を検討。工事では、大型クレーン2台を使い、空洞部分から上部10メートルほどを切除する。切除した部分にステンレスの保護板でふたをするなどの処置を行う。11月中旬ごろに完了する予定。総事業費は333万円で、県と町が約90%を補助する。
氏子総代の石橋司さん(63)は「神社とともに歴史を刻んできた木が切られるのは寂しい。しかし、参拝客や神社境内で遊ぶ子どもらの人命、拝殿の損壊などを考慮し、苦渋の決断をした」と話した。
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