v10.0
- ID:
- 49589
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0131
- 見出し:
- 花粉大幅減 ヒノキ開発中
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20110130-OYT8T00739.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 県農林総合研究センター森林研究所(山武市)が花粉の少ないヒノキの開発に取り組んでいる。国の研究機関から花粉が少ないヒノキと認定された県産の「鬼泪(きなだ)4号」など、優良品種同士を交配させて新たな品種を誕生させ、2018年頃には大幅に花粉の少ないヒノキの種子を供給できる見通しと
いう。
県森林・林業統計書(09年度)によると、県内のスギ林の面積は4万8575ヘクタール、ヒノキは8860ヘクタール。花粉の少ない品種への植え替えは、スギでは進んできているが、ヒノキはまだ苗木を大量に供給できる体制が整っていない。
同研究所では林業用の優良品種の中に花粉の少ない品種があることに着目。1998年から13年間にわたり、20品種以上で花粉を飛散させる雄花の状態を調べたところ、鬼泪4号などは猛暑で花粉が多い年でも雄花が少なく、飛散量を2~3割に抑えられることがわかった。
調査結果を基に、同研究所は最も雄花の少なかった鬼泪4号を独立行政法人・森林総合研究所林木育種センター(茨城県日立市)に花粉症対策品種として申請。昨年11月、都道府県が独自に申請したヒノキとしては、初めて優良品種との評価を受けた。
このほか、「札郷2号」「秋元1号」など4品種も対策品種として選抜。今後、種子生産のための新たな施設をつくり、これらの品種を交配させる。新品種の種子生産には通常15~20年かかるが、ホルモン剤を使うなどの技術開発も進めており、18年頃には種子を供給できる体制が整うという。
新品種が供給できるまでは、鬼泪4号など5品種の種子を優先的に生産していく方針。県森林研究所は「近隣の都県とも協力し、花粉の少ないヒノキへの転換を進めたい」としている。
■浴びた花粉の量 GPS携帯で推計
成田市の気象情報ベンチャー企業「ウェザー・サービス」(横田匡彦社長)は、携帯電話の全地球測位システム(GPS)を活用した花粉症情報提供サービスを始める。GPSによる位置情報から花粉を浴びた量を推定、利用者の症状と突き合わせることで、予防や症状緩和などの対策に役立ててもらう仕組
みだ。
サービスの名称は「電子花粉症日記システム」。同社に35%出資するNTTドコモの「iモード」で有料(105円~)提供を始め、KDDI(au)、ソフトバンクでも2月中に順次使えるようにする。
システムは、ドコモが全国に設置する約2500か所の花粉センサーを活用し、空気中のスギやヒノキの花粉濃度を測定。GPS機能付きの携帯を持った利用者の移動記録から、どれだけ花粉を浴びたか推計する。
利用者は1日1回、くしゃみの回数や目のかゆみなどの症状を入力。蓄積データから花粉の飛散量と症状の相関関係を分析し、地点ごとのきめ細かい飛散予測を生かした予防策や通院時のカルテとして役立てる。
横田社長は「花粉症は個人差が大きく、症状も千差万別。1シーズン記録を付けていけば、個人の特性に合わせた情報提供やセルフケアがしやすくなる」と説明する。
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