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- ID:
- 51272
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0810
- 見出し:
- サーフボード:「日本最古」、旅館「茅ケ崎館」に保管
- 新聞・サイト名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20110809ddlk14040263000c.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- ハワイ産、2代目が1930年ごろ購入「街の象徴として守りたい」
茅ケ崎市中海岸の老舗旅館「茅ケ崎館」で「日本最古」とされる木製のサーフボードが保管されている。長らくベンチとして使われていたが、近年になってその価値が見直された。専門家は「日本のサーフィンの歴史をくつがえすもの」と指摘。同館は「サーフィンの街・茅ケ崎の象徴として大切に守っていきたい
」としている。【松倉佑輔】
茅ケ崎館は1899年創業。映画監督の小津安二郎が定宿としたことでも知られる。
ボードは玄関に飾られており、長さ約2・7メートル、重さは約25キロ。現在は入手の難しいハワイ産のコアウッドの無垢(むく)材でできている。表面にはベンチのくぎの跡が残り先端も欠けているが、ボードの形は崩れていない。
5代目館主の森浩章さん(37)によると、ボードを入手したのは2代目の信行さん(1900~1931年)。真っ赤なサイドカー付きの米国製バイクを乗り回すなど好奇心旺盛な人物で、サーフボードも当時の貿易商から仕入れたとみられる。30年ごろに同館でボードを撮った写真も残っており、購入したのもそ
の頃とされる。ボードは「波乗り板」と呼ばれ、宿泊客も使っていたという。
戦後は、ベンチに「ちょうどいい大きさ」だったことから、脚を取り付けて同館の中庭で使われるようになった。以降約60年間、雨ざらしとなっていた。しかし、森さんが宿泊客の海外のサーファーから「これはオールドボードで貴重な物じゃないか!」と驚かれたことをきっかけに「きちんと保管しよう」と考え、06年に
玄関内に運び入れた。
今年6月には、日本人として初めてサーフィンの国際選手権に参加し、市内で40年以上サーフショップ「ゴッデス」を開いている鈴木正さん(69)がテレビ番組の依頼で現物を「鑑定」。鈴木さんによると、同様のボードは世界的に見てもほとんど出回っていないといい、番組では「300万円」の値段が付けられ
た。
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