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- ID:
- 51238
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0808
- 見出し:
- がれき再利用 「一石三鳥」
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20110807-OYT8T00707.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 震災で発生した膨大な量のがれきの処分を早めるため、産学官が協力し、土砂を道路の盛り土に利用したり、木くずをボイラーの燃料に使ったりする再利用の動きが広がっている。がれきの早期撤去を図ることに加え、埋め立てを減らし、処理費用もうかせる「一石三鳥」の効果が期待される。
木材やコンクリート塊、金属片などが分別されて山積みされている仙台市若林区のがれき仮置き場。海岸近くのこの仮置き場で4日、津波で市街地に流れ込んだ土砂を道路の盛り土に使う実験が公開された。実験は、土木学会が市の協力を得て1日から始めた。
高さ90センチに積まれた土砂の上をローラーが往復すると、4~6往復で締め固まることが確認された。同市は、がれき135万トンのうち50万トンを再利用する目標を掲げる。同学会の吉田明さんは「土砂が盛り土に適していると分かった。道路以外に公園にも使えるのでは」と手応えを口にした。
石巻市に工場のある合板メーカー「セイホク」は、倒壊した住宅の柱や倒木などの木材がれきを破砕し、ボイラー燃料や住宅の扉の材料に使う計画を進めている。同市では、県全体のがれき1583万トン(環境省推計)のほぼ4割を占める616万トンのがれきが発生。同社は製造ラインを1・5倍に増強
し、木材がれきの処理を進めていく考えだ。
気仙沼市は、仮置き場に木材の破砕装置を設置し、チップ状にしたものを山形県の木質バイオマス発電会社に持ち込んでいる。市土木課は「がれきを減らせる上に、エネルギーとして有効利用できる」と話す。
再利用することで処理費用の削減にもつながる。県廃棄物対策課によると、「木材がれきの場合、焼却して埋め立てるのに比べ、費用は3分の1で済む」という。
一方、県は、海水につかった木材を燃やすと、塩分でボイラーが傷む恐れがあるとして、木材を炭化させて除塩する再利用の方法を検討する。炭にすれば保存しやすく、脱臭剤や土壌改良剤などに用途も広がる。県林業振興課は「木材の除塩を手がける企業を誘致し、事業化を進めたい」としている。
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