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- ID:
- 49563
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0127
- 見出し:
- ドーナツ型園舎の幼稚園、OECD最優秀賞
- 新聞・サイト名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://www.asahi.com/edu/kosodate/news/TKY201101190533.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 園庭を囲むドーナツ形の園舎で知られる東京都立川市上砂町の私立「ふじようちえん」が、経済協力開発機構(OECD)の効果的学習環境センター(CELE)が出版する学校施設好事例集の最優秀賞に選ばれ、19日、文部科学省で表彰された。「園舎は大きな遊具、子どもの育つ道具」という発想のもと、
1周180メートルの「走れる屋上」や総ガラス張りの教室が、国際的に最高の評価を得た。
■ガラス張りの建物・走れる屋上…
ふじようちえんは園児約600人の大規模幼稚園。芝生の園庭を囲む楕円(だえん)形の平屋の園舎はガラス張りで、教室を仕切る壁もない。園庭からは、建物の中の園児の様子が手にとるようにわかる。
園児のお気に入りの遊び場は陸上トラックのようなウッドデッキの屋上だ。終わりがないので2周、3周と駆け回り、園庭と結ばれた滑り台を何度も滑り降りる。
「遊び回り、駆け回らざるを得ないような仕掛けがあちこちにある。子どもの成長を促す建物です」と加藤積一園長(53)。
コの字形だった旧園舎を建て替えたのは2007年。世田谷区の建築家手塚貴晴さん(46)、由比さん(42)夫妻が設計を担当し、加藤園長らの思いを形にした。翌年には日本建築学会賞を受賞し、注目を集めた。
今回最優秀に選ばれた学校施設好事例集は、教育施設の質の改善を研究するOECD/CELEが、世界の先進事例を集めた出版物の第4版。ふじようちえんは、文科省の推薦を受けて33カ国、166件の応募リストに加えられ、昨年8月の審査委員会で最多得票を獲得した。
同省によると、国内の建築物が最優秀に選ばれたのは初めてという。
表彰式に先立ち、18日に園児の様子を視察したOECD/CELEアナリストのアラスター・ブリス氏は「遊びと学びと建物が一体となった、世界的にユニークな建物」と評価した。
快挙をたたえる文部科学大臣表彰も受け、園関係者は二重の喜びにわく。加藤園長は「日本の幼稚園の取り組みが世界で注目されるのは光栄。これからも大切な幼児期の育ちを支援していきたい」と話している。
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