v10.0
- ID:
- 49556
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0126
- 見出し:
- 「口内傘」イメージしたスクリーン 岩手大生が制作
- 新聞・サイト名:
- 岩手日報
- 元URL:
- http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20110125_10
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 岩手大教育学部芸術文化課程4年の清水あおいさん(22)は、北上市の口内地区でかつて生産されていた和傘「口内傘」をイメージした映像スクリーンを制作し24日、同市の口内地区交流センターでお披露目した。住民の提供写真で作った昭和30~50年代ごろの映像作品を放映。ともに今後寄贈する予
定で、「失われた伝統や景観に触れ、街への思いを強めてほしい」と期待を込める。
制作は同大の2010年度地域課題解決プログラムの一環。口内地区側が「レトロな雰囲気の街づくりに向けた課題解決」を同大に申し込み、清水さんが「視覚表現を用いた街の歴史や景観を伝えるデザイン」と題した研究を進めた。
映像スクリーンは高さ約2・5メートル。六角形の台座外側に6本の柱を立て、上部に「赤い和傘」をイメージする屋根を配した。台座中央の足元に置くプロジェクターから内側の天井部に映像を流す仕組みになっている。
自作の映像作品は農作業風景や地域行事、中学校校舎などの写真を映し出し、口内町自治協議会関係者が懐かしそうに天井部を見上げていた。
口内地区の和傘作りは約200年前の江戸時代に始まったとされる。戦後20戸以上で行われたが、ビニール傘の普及などで昭和40年代にすべて廃業。その後復活した時期もあるが、現在は行われていない。
09年度に同地区で進められた景観事業にも参加した清水さん。今回の研究では昨夏から月1、2回程度現地に足を運び、資料収集や写真撮影、イベント参加などを重ねた。映像スクリーンの設計を行い、久慈地方森林組合に部品の製造などを委託した。
今後はスクリーンと映像作品の仕上げを行い、同地区に寄贈する予定。清水さんは「途絶えた伝統の口内傘だが、このデザインを見て地域の人が会話をするきっかけになってもらえたらうれしい」と願う。
..