v10.0
- ID:
- 50988
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0713
- 見出し:
- 大正のポンプ車処分危機
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20110711-OYT8T00843.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 長野市松代町東条で保管されてきた100年近く前の消防手動ポンプ車が、保管場所の取り壊しに伴い、処分される恐れが出ている。地元住民は保存を条件に譲渡先を探しているが、今のところ新たな保管場所は見つかっていない。
ポンプ車は、松代消防組が使用したもので、松代13区防災隊詰所に保管されている。長さ約3メートル、幅約2メートル。木製の大八車の上に手動ポンプが設置されており、川や池から採水し、放水する形式だ。90年ほど前に撮影された地元の写真にこのポンプ車が写っており、作られたのは大正時代と
推定されている。
ほこりをかぶってはいるものの、今も手動ポンプはスムーズに動き、火災を知らせる鐘も鳴る。昭和30年頃まで現役で、今は使われていない詰所に保管されている。地元の松代13区の栗林英雄区長(67)は「昔の人の技術を感じさせる構造だ」と話す。
この詰所が、現在工事中の県道長野真田線のバイパス工事に伴い、取り壊されることになった。このため今年に入り、保存を条件に栗林区長がポンプ車の寄贈先を探し始めた。約3か月前からは、インターネットを使った地元の「松代テレビ局」の宮坂文雄代表(62)も参加し、地元住民や市などに打診した
り、ブログで呼びかけたりしている。
長野市立博物館によると、同形式の消防ポンプは、中山間部の消防団倉庫などには残っている場合も多いという。同博物館は同様のポンプを2台収蔵しており、新たな受け入れは難しいのではないかとしている。宮坂代表は、半世紀近く前、近所で起きた火事で、大人たちがこのポンプ車を必死に操作して
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