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- ID:
- 50956
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0707
- 見出し:
- 宮下遺跡 墨書入り六角形状卒塔婆
- 新聞・サイト名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20110706-OYT8T00980.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 牧之原市坂部の宮下遺跡で出土した卒塔婆(そとば)が、墨書のある六角形状の卒塔婆としては日本最古(12世紀後半~13世紀前半)であることが6日、わかった。発掘調査を進めている同市教委は「誰が誰のために作った卒塔婆なのかなど、引き続き全容を解明したい」としている。
市教委などによると、卒塔婆は今年2月に遺跡北東で発見され、現在は元興寺文化財研究所(奈良県)が、学術調査や保存処理を行っている。卒塔婆は木製で、全長67・3センチ、幅9・3センチ、1面の幅が3・8~5・5センチ。同じ遺構から出土した土器などから時代が特定された。五つの面で墨書が確
認され、不動明王を示す梵字(ぼんじ)などが記されていた。
卒塔婆は平安時代末期から葬送儀礼のためなどに用いられたとされるが、六角形状の卒塔婆は珍しいという。見つかった卒塔婆は、平安末期から鎌倉初期に作られ、個人の供養に使われたと推測されるという。
調査を担当した仏教考古学に詳しい同研究所の狭川真一研究部長は「今までの出土例や現存する物からみても、全国的にも最古。中世の墳墓造営や葬祭供養の実態解明に貴重な情報を得たといえる」とコメントしている。市教委では、今年度末まで宮下遺跡での発掘調査を続けるとともに、卒塔婆の保
存作業を並行して進める。
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