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- ID:
- 50919
- 年度
- 2011
- 月日:
- 0704
- 見出し:
- 貴重な「唐枕」 大友氏遺跡からの出土品
- 新聞・サイト名:
- 大分合同新聞
- 元URL:
- http://www.oita-press.co.jp/localNews/2011_130965446634.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 大分県教委が実施した中世大友府内町跡(大分市錦町)の発掘調査で見つかった出土品が鑑定の結果、中国から輸入された「唐枕(からまくら)」と確認された。木材に漆と金装飾を施した技法から約450年前に作られ、南蛮貿易で持ち込まれたと推定される。出土品以外も含めて、当時の唐枕が国内で見
つかったのは「初めてではないか」(同教委)という。府内が国際貿易都市として栄えた様子がうかがえる資料として注目されそうだ。
唐枕は「朱漆鎗金楼閣騎馬人物文唐枕(しゅうるしそうきんろうかくきばじんぶつもんからまくら)」(長さ36・2センチ、幅15・4センチ、高さ12センチ)。2007年の調査で見つかった。全体を漆で固め、側面に朱漆を施し、金を使って楼閣や騎馬などを描いている。
大友氏館に隣接した屋敷を囲む堀(深さ2・5メートル)の跡から見つかった。屋敷と道を挟んで中国の貿易商人が住んだとされる唐人町があり、堀跡から牛馬の骨、中国製の陶磁器などが見つかっている。発掘に当たった県教委埋蔵文化財センターは「唐人町の商人がごみとして堀に捨てたのではないか
」と見ている。
中国・明の高級品
鑑定に当たった四柳嘉章(よつやなぎかしょう)・石川県輪島漆芸美術館長(専門は漆器考古学)は「中国の明代の典型的なデザインで保存状況も良い。唐枕が日本に持ち込まれていたこと自体が驚き。当時としては第一級の高級品だったと思われる」としている。
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